賃貸の入居審査が最も通りにくい職業
賃貸住宅を借りるとき、賃貸保証会社での入居審査を経験した方も多いでしょう。賃貸保証会社とは、入居者が家賃を滞納したときに大家に対して建て替えて払うことを保証する会社のことです。かつては連帯保証人を頼める人が周囲にいない場合などに利用されることが多かったのですが、近年、不動産管理会社は賃貸保証会社を優先的に利用することが一般的になっています。
賃貸保証会社では職業、収入、LICC(一般社団法人 全国賃貸保証業協会)に登録された過去の家賃滞納履歴などを確認されます。さらに信販系保証会社を利用するケースではクレジットヒストリー(クレジットカードやローンの利用履歴)の確認が行われます。
この入居審査、通過率はどのくらいかご存じでしょうか。東京大学空間情報科学研究センター「民間賃貸住宅市場における入居審査と家賃滞納」(2020年9月)によると、全体の審査通過率は82.8%となっています。8割の人が審査を問題なく通過するため、高いハードルとはいえません。
問題は残りの2割の人達です。なぜ審査において否認されてしまうのでしょうか。否認の理由は「属性」と「人」の2つの種類にわけられます。「属性」は職業や年収、勤続年数のこと。「人」の問題は過去の家賃滞納歴や金融事故の有無のことです。たとえば「無職で過去に家賃を踏み倒し逃げている人」は確実に否認されるというわけです。
この「属性」において、もっとも審査が通りにくいとされる職業があります。それがいわゆる「水商売」の方です。
水商売と聞くとキャバクラや性風俗店、ホストクラブなどのナイトワークをイメージしますが、歌舞伎、演劇など興行に従事する人、相撲などのスポーツ選手、芸能人、最近ではインフルエンサーやユーチューバーも含まれるとされています。事業を法人化し経営者となっていると別ですが、個人でこれらの職業に従事する方は、入居審査は極めて厳しいといえるでしょう。