未婚のまま独身を貫く「おひとりさま女性」。安定した高収入や自立といった、華やかなイメージで語られがちですが、彼女たちのライフプランにはいくつか注意点があるようで……。本記事ではMさんの事例とともに、おひとりさま女性に潜む落とし穴について長岡FP事務所代表の長岡理知氏が解説します。
年収1,600万円だった天涯孤独の50代独身女性、時代に抗い出世コースを爆走も…年収120万円へと落ちたワケ。ポツリとこぼした“冗談”に「ごめん、なにも笑えない」【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

年収が高い「おひとりさま女性」

生涯独身を貫く「おひとりさま」が増加しています。おひとりさまとは、未婚、離別、死別などによって一人暮らしをする人を意味する言葉です。

 

2020年国勢調査によると50歳時未婚率は、男性28.3%、女性17.8%でした。これは1920年から始まった国勢調査の歴史上、もっと高い割合です。1920年の50歳時未婚率は男性2.2%、女性1.8%だったので、この100年で生涯独身の人が激増したといえます。

 

興味深いのは現代日本において男女ともに未婚率は、年収と相関がある点です。就業構造基本調査によると、男性は年収が高くなるほど未婚率が下がり、女性は年収が高くなるほど未婚率が上がることがわかります。つまり年収が高い男性は結婚し、年収が高い女性は結婚しない傾向がある、ということです。この理由は説明しなくとも多くの人が想像できると思います。かつての日本では女性の地位が低く、男性に扶養されて生活することが一般的でした。結婚は生活のためという考え方があったのです。

 

しかし女性が自立し高収入を得るようになると、少なくとも生活という目的のために結婚する必要はありません。一方で年収の低い女性は、現代でも生活のために結婚を選択するのかもしれません。そうなると当然、年収が平均以上ある男性を選ぶことになります。年収の低い男性は女性から選ばれず、結婚する機会を失っていると想像できます。

 

女性のおひとりさまは「自立」という言葉で語られがちです。高学歴、高収入、職業のなかでの地位も高く、趣味にも励む自立した女性というイメージを多くの人が抱いていると思います。