現役世代でも、病気やけがなどで障害が生じたときに支給される「障害年金」。病気やけがなどで働けないから年金を受け取れるというイメージから、障害年金をもらいながら働いている人が批判されることも。障害年金をもらっていると働いてはいけないのでしょうか。
働いているのに「障害年金」もらっているなんてズルい!〈月収20万円〉〈年金月5万円〉の42歳男性、ネット民からの攻撃に悲鳴 (※写真はイメージです/PIXTA)

「障害年金をもらっている」=「働くことができない」という思い込み

――一度も会ったこともない人から「嘘つくな!」と攻撃

――このままでは症状が悪化してしまうので、一時的に避難します

 

投稿した42歳だという男性は、ネット民からの批判に悲鳴。一時的にネットから離れることを告げ、姿を消しました。

 

男性は仕事のストレスから「うつ病」と診断され休職。いまは復職しましたが、障害年金をもらい続けているといいます。そのことに対し、

 

――働きながら障害年金を受け取っているなんてズルい!

――障害等級3級なんて嘘だろ、許せない!

 

などと、心ないメッセージが多数届いたといいます。

 

厚生労働省『令和4年 労働安全衛生調査(実態調査)』によると、「仕事や職業生活に関する強いストレスがある」と回答したのは、82.2%。また過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1カ月以上休業、または退職した労働者がいた事業所の割合は13.3%。男性のように、メンタルの不調により休職するケースは、それほど珍しいことではありません。

 

また障害年金は、国民年金に由来する「障害基礎年金」と、厚生年金に由来する「障害厚生年金」があります。障害年金はほぼすべての病気やケガが対象となり、精神障害も含みます。年齢や年金保険料の納付納付状況など、支給要件は色々と複雑ですが、法令により定められた障害等級1級・2級であれば「障害基礎年金」「障害厚生年金」が、3級の場合は「障害厚生年金」のみが対象となります。また障害厚生年金を受けるよりも軽い障害が残ったときには障害手当金(一時金)が支給されます。

 

男性の場合、障害等級3級のため「障害厚生年金」のみ受給。年金額は以下の通りで、3級の場合は61万2,000円(昭和31年4月2日以後生まれ)、月々5万1,000万円が最低保障額となっています。

 

【1級】

(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(234,800円)〕

【2級】

(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(234,800円)〕

【3級】

(報酬比例の年金額)

 

申請は複雑で、障害をおっているのであればなおのこと。実際、人に頼って申請にこぎつけることが多いようです。

障害年金は「働きながらでも受け取ることができる」のだが…

ここで疑問に思うのが、「働くことができるにも関わらず、障害年金を受け取ることはできるのか」ということ。

 

結論から言うと、障害年金は働いていても原則、受け取ることができます。厚生労働省『令和元年障害年金受給者実態調査』によると、全体の34.0%が「仕事あり」。全体の6.2%が正社員・正職員として働いています。厚生年金1級に限ると、13.5%が「仕事あり」、4.2%が正社員・正規職員、厚生年金2級では29.6%が「仕事あり、8.8%が正社員・正規職員、厚生年金3級では58.6%が「仕事あり」、26.8%が正社員・正規職員です。

 

ただし、日常生活で問題なく働いていると、年金の支払いが停止される場合もあります。だからでしょうか、「障害年金を受け取る人たちは働けないふりをしている」と考える人もいて、批判を繰り返しているようです。