仕事一色だった40年余りのサラリーマン人生。現役を引退した後は「妻とゆっくり過ごそう」などと、老後を思い描いているケースも多いでしょう。しかしそれは夫だけの幻想で、老後のベースとなる年金まで減額という、まさかの事態に直面することも。最悪の老後、そのシナリオをみていきましょう。
〈退職金4,000万円・年金夫婦で月29万円〉のはずが…65歳の元大手企業部長、勝ち組確定が一転〈年金3割減〉の想定外「何かの間違いでは?」 (※写真はイメージです/PIXTA)

老後、「年金だけで暮らすことは可能ですか?」

先日、年金の健康診断である財政検証の結果が公表され、いまのままの経済状態が続けば、年金は2割減、経済成長なら6%減となる見通しであることが明らかになりました。

 

何十年もあとのことなど分かりませんが、できることなら現役を引退したあとは、何も心配することなく暮らしたい、できることなら年金だけで暮らせたら安心と考えるでしょう。仮にいまの家計支出、いまの年金水準で、「老後、年金だけで暮らすには」を考えてみましょう。

 

総務省「家計調査 家計収支編 2023年平均」によると、65歳以上の高齢者夫婦の1ヵ月の支出は平均25万0,959円。一方、年金は標準的な夫婦で230,483円。年金の手取りは額面の85~90%とされているので、手取りは19万5,900円とします。支出との差額は、月5万5,000円ほどです。

 

・1年で年金のほかに、66万円が必要

・5年で年金のほかに、330万円が必要

・10年で年金のほかに、660万円が必要

・20年で年金のほかに、1,350万円が必要

・30年で年金のほかに、1,980万円が必要

 

これが標準的な家計で考えた場合です。ちなみに公益財団法人生命保険文化センターで行った調査によると「ゆとりある老後生活費」は平均で37.9万円でした。このなかには旅行やレジャーなどを楽しむための余裕が含まれています。

 

それから考えていくと、

 

・余裕の老後のためには1ヵ月で18万3,000円ほど必要

・余裕の老後のためには1年で220万円ほど必要

・余裕の老後のためには5年で1,100万円が必要

・余裕の老後のためには10年で2,200万円が必要

・余裕の老後のためには20年で4,400万円が必要

・余裕の老後のためには30年で6,600万円が必要

 

となります。これは、ちょっとした勝ち組でないと実現が難しいレベルかもしれませんが、平均的な家計であれば「年金だけで暮らしてく」ことも意外と現実的かもしれません