現役世代でも、病気やけがなどで障害が生じたときに支給される「障害年金」。病気やけがなどで働けないから年金を受け取れるというイメージから、障害年金をもらいながら働いている人が批判されることも。障害年金をもらっていると働いてはいけないのでしょうか。
働いているのに「障害年金」もらっているなんてズルい!〈月収20万円〉〈年金月5万円〉の42歳男性、ネット民からの攻撃に悲鳴 (※写真はイメージです/PIXTA)

仕事に制限…低収入の障害年金受給者

働くことができるのに、障害年金をもらうことができる……モヤモヤする気持ちを抱くのも分かります。ただ実際に受け取ることができるのは、障害によって仕事に支障が出るようなケース。前述のとおり、問題なく働ける状態になれば、基本的に年金の支払いは停止となります。

 

障害年金の支給を受けている人は、障害により仕事が制限され、低収入とされています。厚生労働省『令和5年度障害者雇用実態調査』によると、精神障害者の1ヵ月の平均給与は14万9,000円。この結果が障害年金受給者の収入とイコールとはいえませんが、障害の結果、労働が制限され給与減、低収入の可能性が高いのは明らかです。不足分のカバーもしてくれる制度と考えれば、働くことができても障害年金が受け取れることに少しは納得感が得られるのではないでしょうか。

 

男性の場合、年金は月5万円程度、収入は月20万円程度。40代前半のサラリーマンの平均月収は38.0万円なので、その半分程度。障害厚生年金の存在はありがたいものです。

 

男性いわく、「攻撃をしてきた人たちは、同じようにメンタルの不調の人たちが多いのだと思います。障害年金の申請はかなりのハードルで、楽なものではありません。申請が通らなかった人たち、申請を断念した人たちに嫉妬されることも多くて……」。複雑怪奇な年金制度。男性は、その犠牲になったといえるかもしれません。

 

[参照]

日本年金機構『障害年金』