自由に生きているイメージのフリーターですが、誰もが好き好んでフリーターという働き方を選んでいるわけではありません。その8割が経済的に困窮し、多くが正社員になりたいと考えています。一方で、フリーターでも「経済的に余裕」と言い切る人も。どんな人なのか……その一例をみていきましょう。
親が死んでも生活保護があるし…月収5万円〈フリーター歴35年〉〈親の年金頼り〉の55歳・ひとり息子、余裕が一転、狼狽のワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

フリーターの8割が「経済的にゆとりがない」

株式会社マイナビが、15~44歳を対象に行った「フリーターの意識・就労実態調査(2024年版)」によると、現在フリーターとして働く人の働く目的は「自分の生活費のため」が最も高く72.3%。「貯金をするため」45.8%、「趣味のため」34.8%、「家族の生活費のため」20.5%と続きました。また「経済的にゆとりがない」と81.6%の人が回答しています。

 

また今後の働き方の希望については「正社員」が最も多く32.4%。「アルバイト・パート」も32.2%と同程度でした。「経済的なゆとりがない」と回答した人は「経済的なゆとりがある」と回答した人よりも、正社員を希望する割合が8ポイントほど高くなっています。

 

また今後正社員として働きたい理由は、「経済的なゆとりがない」と回答した人では「雇用が安定しているから」が最も高く72.9%。「経済的なゆとりがある」と回答した人より10ポイントほど高くなっています。

 

自由気ままなイメージがあるフリーターですが、改めて経済的な厳しさが浮き彫りに。多くが正社員として働くことを希望していることが分かりました。

 

しかし、正社員になることを希望している人、誰もが正社員になれるとは限りません。正社員の経験がないと、どうしても採用においては不利。さらに年齢が上になればなるほど、敬遠される傾向にあります。就職氷河期時代、正社員になれず、フリーターとして社会人生活をスタート。タイミングを逃し、いまだにフリーターでいる40〜50代は、正社員になる厳しさに直面しています。

 

政府は就職氷河期世代の中心層の正規雇用労働者を2019年までに30万人増やすとしていましたが、いまのところ、目標達成は厳しいといわれています。

 

一方で、前出の調査の通り、「経済的にゆとりがある」というフリーターが20%弱います。大学を卒業して以来、フリーターを続けて35年という大ベテランという、55歳の男性も「お金!? 特に困ってない」というひとりです。