インタビュー:池上彰氏と考える広報の「伝える力」
池上彰氏プロフィール
名城大学教授、東京工業大学特命教授など6つの大学で教壇に立つ。1950年、長野県生まれ。1973年にNHKに記者として入局。松江、呉での勤務を経て東京の報道局社会部。1994年から2005年まで「週刊こどもニュース」の“お父さん”。2005年に独立し、現在に至る。
インタビュアー:著者
新聞は「飯のタネ」
池上さんは日頃、どのようにして情報を仕入れているのですか?
池上:常に、複数の情報源から情報を得るようにしています。新聞はもちろん、書籍、雑誌、インターネットなど、いろんなものを見ていますね。特に、新聞の情報は大切にしています。
私も、情報収集に新聞は欠かせませないと思っています。池上さんが、新聞が重要だとお考えになる理由をお聞かせいただけますか?
池上:限りなく「正確な情報」が手に入るからです。新聞記者は情報収集のプロですし、記者が書いた原稿は、デスクという紙面の決定権を持つ人がチェックします。さらに、校閲というポジションの人が誤字脱字だけでなく、事実関係にも誤りがないかを確認します。大勢の人の目が入ったうえで世の中に出ていくため、基本的に正しい情報になっていきます。もちろん作業するのは人間ですから、誤りもゼロではありませんが。
ちなみに、どれくらいの量の新聞を読まれているのですか?
池上:全国紙や地方紙、子ども新聞といったものを合わせて、12紙チェックしています。アナログ人間なので、基本的に紙の新聞を読んでいます。過去にNHKに勤めていた時は、会社で新聞を読むことができていました。退職後は自分で新聞をとらなければいけません。そこで、独立した際にまず取り掛かったのが、郵便受けの拡張でした。
郵便受けの拡張!
池上:それでも入りきらなくて。時々、配達員の人からインターホン越しに「郵便受けがパンパンなんで、取りに来てください」と、呼び出されることもありましたね(笑)。このようにして新聞を読んでいると、「どういう意味だろう」と疑問がいっぱい出てくるわけですよ。そうしたら「しめた」と思うのです。自分自身が「?」と感じることは、他の新聞記者もきっとわからない。そこで、疑問がわいた事象について、テレビで解説したり、週刊誌や新聞で記事を書いたりしています。これが私の“飯のタネ”です。
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