なぜ、ゆとりあるはずの40代教員夫婦は、借金を重ねていったのか?
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、男性の小・中学校教員(平均年齢40.4歳)の平均給与は月収で42.2万円、年収で677.6万円。女性の小・中学校教員(平均年齢40.2歳)の平均給与は月収で38.9万円、年収で603.2万円。平均的な給与を手にしているとすると、世帯年収は1,200万円を超え、世間的には十分に余裕があると考えられるでしょう。また「学校の先生は無理な借金なんてしない」というイメージがあり、破産からはほど遠いふたりといえます。
それにも関わらず、なぜ夫婦は借金を重ねてしまったのか。そこには、昨今言われている、教師の劣悪な労働環境に原因があるようです。
夫「ストレス解消で始めたギャンブルに、のめりこんでしまい……」
妻「わたしもストレス発散のために、借金までして買い物を続けてしまいました」
自己破産の危機にある教師が、すべてストレス発散のためにギャンブルや散財のために借金を重ねているわけではありません。ただ教師はその職業から信用力が高く、金融機関や消費者金融もどんどん貸してしまう……結果、返せなくなるまで借金を重ねてしまうケースがみられるようです。
文部科学省『2022年度学校教員統計調査』によると、精神疾患により離職をした小学校教員は581人。2010年調査では359人で、1.6倍に増えています。その背景にあるのが、前述の通り、労働環境にあるといわれています。また誰もがスマホで簡単に連絡を取り合えるような世の中になり、以前よりも保護者とのコミュニケーションが個人単位で活発になり、大きなストレスになっているという現場からの声も。
日々、たまるストレスの解消のため、借金を重ねてしまう……自己破産寸前の夫婦の背景には、教員を取り巻く諸問題があるようです。
[参考資料]