会社員が給与アップを実現するための選択肢。最も身近なものといえるのが昇進です。会社内のランクが上がるごとに給与はうなぎのぼり……ただ、行き着く先に落胆するケースも珍しくないようです。
年収1,000万円なんてこんなもん…42歳で部長に抜擢の〈大企業エリート〉。質素すぎる毎日に、部下「夢がない」「このままこの会社にいても」と絶望 写真はイメージです/PIXTA

会社員の出世欲…男性40代、女性30代が転換点

株式会社マイナビが全国15歳以上を対象に行った『マイナビ ライフキャリア実態調査2024年(働き方・キャリア編)』によると、「昇進したい」という意欲は、「男性20代」で68.0%、「男性30代」で51.2%、「男性40代」で32.5%、「「男性50代」で27.1%と、年齢が上がるにつれて低下することがわかります。これは女性も同じような傾向で、男性は40代、女性30代で「昇進したくない」が「昇進したい」を上回ります。

 

昇進すれば、金額の幅はそれぞれでも給与アップにつながります。それにも関わらず、昇進したくないのはなぜなのでしょうか。役職なし正社員の昇進したくない理由として最も多かったのが「責任が重くなるため」で49.2%。「自分には向いていない」39.8%、「メリットが感じられない」38.1%、「家庭との両立が困難だから」16.7%と続きます。

 

年齢別に見ていくと、「責任」に対してネガティブに考えているのは「20代」で年齢とともにネガティブ傾向は低下。「適正」に対してネガティブに捉えているのは「30代」。実際に昇進の話が出て、自分の適性をネガティブに感じるタイミングでしょうか。「メリット」に関しては「30代」と「50代」がネガティブに捉えがち。「家庭との両立」に対しては「30代」。ちょうど結婚や出産など、大きなライフイベントが起きるタイミング。昇進による変化をネガティブに捉える傾向にあるようです。

 

【「役職なしの正社員」昇進したくない理由】

●責任が重くなるため

20代…55.3%、30代…54.8%、40代…52.2%、50代…42.8%

●自分には向いていない

20代…33.8%、30代…45.2%、40代…39.3%、50代…41.3%

●メリットを感じない

20代…36.4%、30代…41.0%、40代…36.8%、50代…40.1%

●家庭との両立が困難

20代…19.8%、30代…22.9%、40代…15.3%、50代…12.0%