大学生の親が「103万円を超えるな」と口酸っぱくいう理由
大学生の子を持つ父親であれば、1度はいったことがあるだろう、こんなセリフ。
――103万円は超えるなよ
大学生の子のアルバイト。年収が103万円を超えるとエライこっちゃと、口を酸っぱくして何度もいい聞かせる……大学生の子の親のあるあるでしょうか。
今年、大学進学のため上京してきたという佐々木大輝さん(仮名・19歳)も、父親から「絶対103万円は超えるなよ」と念を押されたと少々うんざりしている様子。
近頃、よく耳にする年収の壁のひとつ「103万円の壁」。これは基礎控除48万円と給与所得控除の最低額55万円を足した金額が103万円となり、これを超えると所得税がかかり、親の扶養からも外れます。親としては扶養控除が受けられなくなり税金が増えるため、「103万円は超えるな!」としつこく念を押すわけです。
まずは、いまいちど、6つの年収の壁についてみていきましょう。
税法上の年収の壁
年収の壁① 100万円の壁
一般的に超えると住民税がかかる。東京都在住の30歳の場合、年収が101万円で住民税が5,000円課税される。
年収の壁② 103万円の壁
一般的に年収が103万円を超えると所得税がかかる。ただし医療費控除等、各種控除の適用を受けることで、壁を超えても所得税がかからない場合がある
年収の壁③150万円の壁
配偶者の税金を計算する際の「配偶者特別控除額」が減り始める。150万円を超えなければ、配偶者は最大71万円の控除が受けられる
年収の壁④ 201万円の壁
150万円を超え、減り始めていた「配偶者特別控除額」が減ゼロになる
社会保険上の年収の壁
年収の壁⑤ 106万円の壁
社会保険料がかかるかどうかの境界線。従業員101人以上の企業で週20時間以上勤務、月額8.8万円(年収約106万円)を超えた場合、社会保険の加入義務が生じる
年収の壁⑥ 130万円の壁
会社の規模に関わらず年収が130万円以上になると、社会保険の被保険者の扶養から抜けて、自ら社会保険に加入。自身の給与から健康保険や厚生年金などの社会保険料を支払う必要が生じる