2024年3月に日銀は「マイナス金利政策」を解除して金利を引き上げることを決めました。そうした流れから、住宅・不動産投資ローンの見直しを検討している人も多いと思います。そこで本コラムでは、住宅・不動産投資ローンの借り換え手数料の種類や相場について解説します。また、借り換えのメリット・デメリット、ローンの借り換えに向いているタイプについても紹介します。さらに、実際に借り換えするための手順やよくある質問「手数料を準備できない場合の対応策」にも触れていきますので、ローンの借り換えを検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

不動産投資について
もっと知りたい方はコチラ>>

 

住宅・不動産投資ローンの借り換えのメリット4選

(画像:PIXTA)
(画像:PIXTA)

 

住宅・不動産投資ローンの借り換え手数料について説明しました。ここでは、住宅・不動産投資ローンの借り換えで得られるメリットを解説します。

 

・将来の金利変動リスクを事前に回避できる可能性がある

・金利を下げて出費を抑えることができる

・団体信用生命保険(団信)を変更できる

・リフォームローンを併せて借りられる

 

将来の金利変動リスクを事前に回避できる可能性がある

固定金利の住宅・不動産投資ローンに借り換えすることで、将来の金利変動リスクを事前に回避できる可能性があります。2024年3月に日銀は「マイナス金利政策」を解除して金利を引き上げることを決めました。長期金利や短期金利に基づいて決められるローン金利にも影響が出る可能性があり、変動金利でローンを組んでいる場合には、金利が上昇するリスクがあります。

 

そのため、固定金利にすることで金利が上昇した場合でも借入当初の金利から変わらず、将来の金利変動リスクを事前に回避できる可能性があります。ただし、固定金利は変動がないために返済計画を立てやすいというメリットがある反面、変動金利と比較し金利が高く設定されていることが多いです。また、固定金利を選択できる金融機関は限られているので事前に確認しておきましょう。

 

金利を下げて出費を抑えることができる

住宅・不動産投資ローンを借り換えることで、金利を下げて出費を抑えることができます。

 

金利の低い金融機関に借り換えができれば、その後の支払い利息の負担が軽減できます。下図の具体例を参考にしてみていきましょう。具体的にローン金利が1%違うと毎月の返済額は1万4,207円、20年間の総返済額は約340万9,739円の減額となります。

 

借り換えには前述の手数料がかかるため、実際には手数料等を含めた総額で比較する必要があります。そのため、実際に得られる返済軽減効果はこのシミュレーション結果よりも少なくなりますが、住宅・不動産投資ローンの借り換えをすることで、毎月のキャッシュフローの改善だけでなく、支払い総額を抑えることができます。

 

団体信用生命保険(団信)を変更できる

住宅・不動産投資ローンを借り換えることで、より保障が充実した団体信用生命保険(団信)に変更できる点もメリットです。

 

団体信用生命保険は、債務者が死亡または高度障害になったときに、保険金でローン残債が完済される生命保険です。多くの金融機関では、住宅ローンとセットで加入することが必須となっています。ローンを借りた後で自分の身に万が一のことがあった場合に備えて、将来の不安がある人は保障の内容をチェックして見直すのも良いでしょう。

 

住宅ローンにリフォームローンを上乗せして借りられる

住宅ローン限定となりますが、ローン借り換え時にリフォーム費用分も併せて借りれば低金利でリフォームローンを利用できます。

 

リフォームローンを単独で借りた場合は一般には住宅ローンよりも金利が高くなるケースが多いため、住宅ローン借り換え時に併せてローンを組むことは大きなメリットといえます。また、リフォームやリノベーションローンを別建てで二重に借りてしまい、管理が煩雑になるリスクを軽減することもできます。

 

次ページ住宅・不動産投資ローンの借り換えのデメリット3選