5年に一度、調査・公表される『住宅・土地統計調査』。その速報値により、深刻化する空き家問題の実態が明らかになりました。みていきましょう。
腐り、朽ちていく…全国158万戸「放置空き家」の実態【47都道府県・最新「空き家率」調査】

最新「空き家率」は13.8%…都道府県別では「徳島」が最高で21.24%

総務省『令和5年住宅・土地統計調査』によると、日本全国にある住宅は6,502万0,700戸。そのうち「空き家」は899万5,200戸で、空き家率は13.8%でした。

 

空き家とされるのは、別荘を含む「二次的住宅」、賃貸のために空き家になっている「賃貸用の住宅」、売却のために空き家になっている「売却用の住宅」、転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅などといった「その他の住宅=放置空き家」に分かれますが、空き家のうち最多は「賃貸用の住宅」で443万2,600戸。続いて「放置空き家」が385万2,700戸。「二次的住宅」38万3,000戸、「売却用の住宅」32万7,000戸となっています。

 

都道府県別にみていくと、空き家率が最も高いのは「徳島県」で総住戸数38万9,400戸に対して、空き家は8万2,700戸。5戸に1戸は空き家です。一方で空き家率が最も低いのは「沖縄県」。総住戸数69万9,800戸に対して空き家は6万5,100戸。空き家率は9.30%でした。

 

【都道府県別「空き家率」上位10】

1位「徳島県」21.24%

2位「和歌山県」21.17%

3位「山梨県」20.47%

4位「鹿児島県」20.44%

5位「高知県」20.31%

6位「長野県」19.97%

7位「愛媛県」19.76%

8位「山口県」19.39%

9位「大分県」19.13%

10位「香川県」18.52%

 

空き家問題で最も深刻なのが、管理がされず、腐朽・破損が進んでいる空き家の増加。防災面で不安があり、将来的には倒壊の危険性も。そんな「腐朽・破損ありの空き家」は、全国で158万5,900戸。全住戸の2.44%。空き家の17.63%を占めています。また使用用途が決まっていない放置空き家に占める腐朽・破損ありの割合は23.27%。4~5戸に1戸は、腐朽・破損が進んでいます。