(※写真はイメージです/PIXTA)

配偶者を亡くした場合、精神的な負担はもちろんのこと、金銭的な負担も重くのしかかってきます。専業主婦のAさんは、ある日突然最愛の夫Bさんを亡くして憔悴。さらに、夫が亡くなったことで収入も減り「老後破産危機」に陥ってしまったのでした……。そんなAさんの事例をもとに、「遺族年金」のしくみと元気なうちに実践しておきたい対策について、株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也FPが解説します。

困ってしまう前に…あらかじめとれる「老後対策」3つ

今回の事例では、夫が急死したことにより、のこされた妻の生活が危ぶまれました。

 

想定外のことが起こってからではできる対策に限りがあるため、可能であれば現役時代のうちに盤石な準備をしておきたいものです。Aさんの場合、下記の3点を考慮できていれば、さらにゆとりのある生活ができた可能性があります。

 

①老後も生命保険に加入しておく

子どもたちのための学資保険や医療保険に加入することも大切ですが、夫が定年後に急死した場合、Aさんのように受け取れる年金が減ってしまうことがあります。そのため、万が一のことが起きてもお金に困らないよう、死亡保険には加入しておきましょう。

 

②持ち家を購入しておく

賃貸物件に住んでいる場合、生きているあいだは家賃を払い続ける必要があります。幸いAさんは夫が亡くなったあと、1人住まい用の次の賃貸住宅が見つかりましたが、高齢になると賃貸住宅を新規で借りにくいというリスクがあります。

 

そこで、現役時代のうちに金利の低い住宅ローンを利用して自宅を購入し、老後には住宅費の負担を減らせるようにしておくこともひとつの手です。

 

持ち家であればいざというときに売却したり、リバースモーゲージを利用して資金を得ることも可能です。将来のことを見据えて選択肢を増やしておきましょう。

※ リバースモーゲージ……持ち家を担保に融資を受けられる制度。対象の多くが「50歳以上」「55歳以上」などシニア向けとなっている。

 

③資産運用について早めに知っておく

低金利の現在、お金をただ銀行に預けているだけではほとんど増えません。また、退職金や年金だけではゆとりのある老後を過ごすことも困難になっています。

 

したがって、できるだけ早くから情報収集を行い、少額からでも資産運用を実践してみることをおすすめします。いろいろな方法を経験しておくことで自分に合ったやり方を知ることができるほか、労働のかたわらお金にも働いてもらうことで、豊かな老後を実現しやすくなります。

 

未来になにが起こるかは誰にもわかりませんが、想定されることについては可能な範囲で対策をしておくことが重要です。

 

まずは気軽に情報収集から始め、自分1人で悩んでいても解決策がわからない場合には身近な人や専門家に相談してみるとよいでしょう。

 

 

武田 拓也

株式会社FAMORE

代表取締役
 

 

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※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。
※参考:日本年金機構「遺族年金の制度」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/index.html)

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