(※写真はイメージです/PIXTA)

高卒と大卒では、生涯年収の差は数千万単位に開く。多少無理をしてでも、子どもを大学に行かせるため学資ローンを組んだり、奨学金制度を利用させたりする親たち。しかし結局は、その負債を子どもが支払うという事実を、忘れてはいないだろうか。本記事では若者を苦しめる「奨学金」の残酷に迫っていく。

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    一方、「3年で返済できた」Bさんの裏側

    一方、神奈川在住のBさん(27歳)は、わずか3年で返済したという。

     

    「借金を背負っているという感覚が本当に嫌でした。早くお金を返したい一心だったので、実家を出ず、とにかく長時間働いて残業代を稼ぎました。その結果、帰宅はほぼ毎日深夜12時を過ぎましたが、3年で返済できました。完済後に会社はすぐ辞めました。大変だったけど、やっぱり大学生活は楽しかったし、もし自分に子どもができたら大学に行かせてあげたいと思います。もちろん、奨学金なしで」

     

    彼女の場合、実家暮らしという選択肢があっただけ幸いだったのかもしれない。しかし、長時間労働を取るか、十数年にわたる借金を取るかなんて、地獄のような二択だ。十分な体力と精神力がなければ達成できるゴールではないだろう。

     

    我が子に負債を抱えさせないため、学資ローンを組む親もいるが、年利は奨学金より高い(奨学金の場合は契約者が学生本人であり、在学中に利息は発生しない)。もはやお金がない親は子どもを大学に行かせるべきではないのだろうか? いや、そんなことはない。

     

    少子高齢化・人口減少の影響をもろに受けた大学側が、学生集めのために様々な対策を施している現状がある。たとえば、私立の神奈川大学が設けている「給費生制度」。入試の上位優秀者が対象となり、4年間で最大880万円の返済なしの給費、つまり大学4年間の授業料が実質「無料」になる(※入学金等の納入は必要)。

     

    このような制度を設けている大学は検索をすれば簡単に調べられる。子どもの大学入学を心から望むなら、奨学金ではない選択肢も考慮すべきだろう。

     

    「学歴なんて関係ない」という風潮も芽生えつつあるが、そうはいっても、依然として学歴がモノを言わせている日本社会。子どもの本当の幸せとは何か? 親自らが子どもを不幸にしてしまわないためにも、情報収集と早期の資産形成が求められている。

    ※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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