日本版ライドシェア解禁へ…問題点も続々
警察庁の資料によると、運転免許の申請取消(自主返納)件数は、2022年44万8,476件。そのうち75歳以上は27万3,206件、前年から2%ほど減少しました。平成10年から免許の自主返納制度は導入されましたが、コロナ禍の影響もあり、75歳以上の免許返納は2019年35万0,428件をピークに減少傾向にあります。
免許返納率の低下はさておき、高齢ドライバーの交通事故が社会問題化しているなか、個人タクシーの年齢上限の引上げに対しては、「そんな高齢ドライバー、大丈夫なの?」と誰もが不安に思うばかり。安全への不安を払拭することが必要とされています。
上限年齢の引上げは、深刻化するドライバー不足の解消を目指した奇策という見方が強いですが、ほかにも外国人の在留資格の「特定技能」に「自動車運送業」を追加するという案も。ただ言葉の壁が大きく、実現は不透明。
そこにきて注目されているのが一般のドライバーが乗客を乗せる「ライドシェア」。国土交通省は「東京都:23区、武蔵野市、三鷹市」「神奈川県:横浜市や川崎市など」「愛知県:名古屋市や瀬戸市など」「京都府:京都市や宇治市など」でライドシェアのサービスを認める方針を明らかにしています。
この「日本版ライドシェア」はタクシー会社の管理のもとで、配車アプリのデータから算出した車両不足の地域や時間帯に限って解禁もの。運行できる曜日、時間帯、上限台数は区域によって異なり、たとえば東京23区では、月〜木曜は午前7時〜10時台、日曜は午前10時〜午後1時台。これらの地域にあるタクシー会社の意向を調査したうえで、申請のあった会社に事業許可を出すとしています。
今後、配車アプリのデータ分析が終了した他地域についても、タクシー不足が確認された場合、順次、ライドシェアを認める方針だといいます。
ライドシェアは移動手段が不足している地域の利便性を高めるほか、「低料金で利用できる」「自家用車で収入を得られる」などのメリットがある一方、「ドライバーの資質や運転技術の問題」「事故発生時の問題」「安全性の問題」などの懸念も。
環境問題にも寄与するといわれている「ライドシェア」。今後の動向に注目です。
[参考資料]