都内・9,000万円のタワマンを購入したパワーカップル
不動産経済研究所によると、1都3県で2023年に発売された新築マンションの1戸あたりの平均価格は8,101万円で、東京23区では1億1,483万円。建築費や人件費の高騰などにより不動産価格が高騰していること、またタワマンをはじめとした高額物件が多く発売されたことなど、色々な要因はありますが、いまや東京区部で新築マンションを買えるのは、一部の限られた人だけ、といった状況です。
そんな庶民にとっては高嶺の花の都心の新築マンションを5年前に購入したという40代のサラリーマン。購入したのは東京・湾岸エリアのタワマンで、価格は9,000万円。都内の大企業で働く男性、当時の年収は850万円。夫婦共働きで、3歳年下の妻も同じ会社で働くキャリアウーマン。年収は650万円ほどあり、二人合わせると世帯年収は1,500万円ほど。子どもは5歳になる男の子がひとり。子どもが小学校に入学する前にマイホームを買いたいと思っていたといいます。
厚生労働省の調査によると、40代前半男性の平均年収は616.2万円。40代前半の女性では463.3万円。平均と比べると十分に余裕。男性のように、共働きでともに高収入の夫婦は「パワーカップル」と呼ばれ、昨今、都心の新築マンションのメインの購入者となっています。
世帯年収1,500万円で9,000万円のタワマンを購入。頭金を2割ほど入れたという男性。仮に7,000万円の借入をし、30年で返済するとしましょう。返済方式は元利均等、金利は0.5%とすると、月々の返済額は20万9,432円。年収に対する返済額の割合である返済負担率は16.7%。男性だけの収入では29.5%に跳ね上がりますが、返済負担率の上限である35%は下回ります。万が一の時にはかなりのローン負担にはなりますが、購入を決断できなくもないマネープランといったところでしょうか。
「なんだかんだいって、タワマン、一度は住んでみたいわよね」と妻。タワマンへの漠然とした憧れは男性にもあったといいます。ただ1番の決め手は立地で、勤務先までドア・ツー・ドアで30分もかからないというアクセス至便。そこに憧れが後押しして、購入を決断したといいます。