機関投資家が利回りを“期待”できる根拠
ただし、投資対象が以前のように株式と債券だけでは流石に成り立たず、それ以外のありとあらゆる有望な投資先として「オルタナティブ投資」を加えて、はじめて十分な利回りを期待しているのだ。
そのようなオルタナティブ投資を加えたアセットアロケーションは、機関投資家の資産運用の基本となっており、それを高度に行うことで、資産運用によるリターンの確実性を高めることができている。
そして無リスクによる金利が低くなっていても、長期では「資産運用がほぼ確実に儲かる」ことを前提にすることができている。
一方、個人投資家はいまだ「株式」が王道という現実
さて、日本では個人の資産運用の王道として、「株式インデックスへの長期積立投資」という手法がここ数年で定着した。数十年間という長期スパンで実行すれば損をする可能性は少ないという。ただし自己責任ということを忘れないでくださいね、と。
この「投資/資産運用は結果的に損をする可能性は当然あるが、結果は自己責任ですよ」というコンセンサスは、金融商品の売り手側にとって、またおそらく預金から投資へのシフトを目指す政府にとって都合の良いものではないだろうか。
何故なら、株式への投資のみでは、それがいくら低コストで分散されたインデックスであろうが、長期積立投資によるタイミングの分散をしようが、相当なリスクを負うことは避けられないからだ。
「資産運用がほぼ確実に儲かる」ことを前提としなければならない機関投資家が株式のみに投資することなどあり得ない。
本来は、長期で運用できるのであれば、個人も機関投資家のように投資対象をオルタナティブなどにも広げて、質の高い資産運用をすることができれば、確実とは言えないまでも、ある程度リターンを“期待”することができると考えられる。
しかし、日本の個人には優良なオルタナティブ投資はほとんど提供されていない。自己責任は仕方ないとしても、少なくとも運用手段において個人と機関投資家で大きく不公平な現状は改善すべきと思うのである。
木村 大樹
Keyaki Capital株式会社
代表取締役CEO
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