サラリーマンのランチの定番でもある「ラーメン」。ササッと麺をすすって、午後の仕事に向けてエネルギーをチャージする――しかし、最近はそんなラーメンにも値上げの波が。エネルギーをチャージするはずが、肩を落とすようなことも。みていきましょう。
ラーメン1杯に1,400円!「手取り23万円」33歳サラリーマン、ランチタイムに思わず悲鳴…日本人、「実質給与減」にそろそろ限界

25ヵ月連続「給与アップ」も22ヵ月連続「実質給与減」の現実

それにしてもラーメン1杯に1,400円。そんな価格では客は入らないのではと心配ですが、昼時には行列ができるほどだったといいます。

 

「サラリーマンはランチで1,000円以上を払うのはキツイ」という事情から「ラーメンには1,000円の壁がある」と専門家。しかしこの物価高で、これ以上値段を据え置くのは店側もキツイという事情から、次々とその壁を突破するラーメン店が登場しています。

 

さらに外国人が多く集まる観光スポットであれば、そこに“観光地価格”もプラス。都内でも「端から日本人を相手にしていない」と噂のニュースポットでは「ラーメン1杯2,000円」と振り切った価格設定。「ある意味、日本にいながら外国気分が味わえる」と、何とも言えない皮肉めいた感想が話題になりました。

 

厚生労働省が毎月発表している『毎月勤労統計調査』によると、2024年1月、基本給や残業代などを合わせた現金給与の総額は1人当たり平均で28万2,270円で、前年同月比2%増。これで25ヵ月連続のプラスとなり過去最長を更新しています。

 

一方で、1人当たりの実質賃金は前年同月比0.6%減少。22ヵ月連続のマイナスとなりました。日本人は2年近くも「実質給与減」を体感していることになります。

 

全日本人が「給与減」に限界を感じているなか、この状況はいつまで続くのでしょうか。厚生労働省は「消費者物価指数の伸びがやや鈍化したこともあり実質賃金の減少が少し落ち着いてきている」と、出口が近いことを示唆しています。春闘の結果が反映されるころには、賃金高が物価高を上回り、1,000円超えのラーメンを堂々とすすれるようになっているかもしれません。

 

[資料]

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』

SMBC日興証券株式会社/「日興フロッギー」『共働き夫婦のおこづかい・資産運用に関する意識調査』

総務省統計局『小売物価統計調査(2024年1月)』

厚生労働省『毎月勤労統計調査』