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無駄な出費を抑えて今使えるお金を増やし、老後まで豊かな未来を実現するためには、どうすればいいのか。金融資産3億円を超え、自身も富裕層の仲間入りを果たしたファイナンシャルプランナーである立川健悟氏の著書『お金が増えるのは、どっち?: 読むだけでお金持ちになる!』(三笠書房)より、一部抜粋して紹介する本連載。本当にお金を増やした人たちの、超実践的なお金を増やす方法を立川氏が解説します。

先に受け取るなら「退職金」「iDeCo」?

老後資金の原資となる 「退職金」 と 「iDeCo」 。一時金として受け取る順番が選べるなら、「iDeCo」から受け取るのが正解。理由は、受け取った順番によって退職所得控除の勤続年数を調整されることがあるため。

 

退職金を先に受け取り、iDeCoを19年以内に受け取ると、iDeCo加入期間と勤続年数の重複期間は、退職所得控除の勤続年数から差し引かれます。逆に、iDeCoを先に受け取り、退職金を4年以内に受け取ると、重複期間が退職所得控除の勤続年数から差し引かれます。

 

手取りを最大化したいなら、iDeCoを先に受け取り、5年以上あけて退職金を受け取ること。退職所得控除をフル活用しましょう。

受け取り方による違い

退職金やiDeCoの受け取り方には「一時金」と「年金」があります。お金の管理が不安な人は年金も選択肢です(【図1】一時金と年金のメリット・デメリット)。

 

【図1】
【図1】一時金と年金のメリット・デメリット

受け取る順番で手取りが変わる

「退職金」と「iDeCo」は、受け取った順番により、退職所得控除の勤続年数を調整される期間が変わります(【図2】退職所得の手取りの違い)。

 

※復興特別所得税は考慮していません。
【図2】退職所得の手取りの違い

30年勤務、iDeCo加入期間10年の場合
※復興特別所得税は考慮していません。

 

 

〈Point〉

 

退職金を受け取る時期は、勤務先によって決められています。iDeCoを先に受け取れず、合算した金額が退職所得控除額を大幅に越える場合は、一時金と年金の併用がおススメ。

 

たとえば、退職所得控除の範囲内で一時金を受け取り、残額を公的年金等控除の範囲内で年金として受け取ることで、手取りを最大化できるのです。一度に大きなお金を手にすることがないため、散財しにくいというメリットもあります。

 

【Answer】手取りを最大化するためにも先に受け取るのは一時金でiDeCo!

 

生前贈与するなら「子ども」「孫」?

相続人が亡くなった人から7年以内に贈与された資産は、大部分が相続財産に加えられ、相続税がかかります。このルールを「持ち戻し」といいます。仮に、贈与を受けたときに贈与税を支払ったとしても、相続税は調整されるため、二重に課税されることはありません。

 

相続財産の持ち戻しは、相続人となった子どもには適用されますが、相続人でない人への贈与には適用されません。つまり、相続人ではない孫に行なった生前贈与については、適用されないのです。

 

これは、将来の相続財産(相続税)を減らすことができる有効な相続対策であり、相続開始直前であっても実行できます。贈与契約書を作成して、贈与の証拠は必ず残しておきましょう。

相続財産の持ち戻し

相続人ではない「孫」や、「子どもの配偶者」への贈与は相続財産の持ち戻しの対象外となります(【図3】相続財産の持ち戻し「子どもの場合」「孫の場合」)。

 

【図3】
【図3】相続財産の持ち戻し「子どもの場合」「孫の場合」

孫への贈与は早いほど効果大

孫への生前贈与は、相続税対策として有効です。できるだけ早い段階から贈与を始めることで、より相続税の節税効果が大きくなります(【図4】子どもと孫の持ち戻し額の比較)。

 

【図4】子どもと孫の持ち戻し額の比較
【図4】子どもと孫の持ち戻し額の比較

 

 

 
贈与税の非課税枠におさまる110万円以下の金額を、孫の預金口座へ10年間送金した結果、相続税を課税された方がいます。これは、口座の名義人と実際の所有者が異なる「名義預金」と判断されたケース。
 
正しい贈与と認められるためには、通帳やキャッシュカードを孫に渡し、孫が自分自身で口座を管理する必要があります。そのうえで贈与契約書を必ず作成しておきましょう。
 
 
【Answer】生前贈与するなら、渡した財産が相続時に持ち戻しの対象とならない(相続人ではない)孫!
 
 
 

立川 健悟

ファイナンシャルプランナー

 

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