(※写真はイメージです/PIXTA)

「下流老人」「老後破産」…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。老後に必要なお金、貯められていますか? 厚生労働省『賃金構造基本調査』(令和4年)などをもとに解説していきます。

妻は激怒…娘から送られてきた、「物寂しいライン」

「娘からは『パパの人生だから好きにすればいいと思う』とラインで一言。ちょっと物寂しい気持ちにはなりました」

 

原本さん、周囲がひっそりと心配しているなか、「新しい人生の始まりだ」と意気揚々です。有給消化中は、ビジネス書を読んだり、今までしていなかった筋トレをはじめたりと、それはもう「水を得た魚」のようでした。

 

有休も終わり「完全無職」となった原本さん。奥さんの眼光もそろそろ鋭くなってきた手前、本腰を入れて次のステップを踏み出すことにしましたが、ふと、あることに気づきました。

 

「何か新しいことにチャレンジを」。張り切っていた原本さんでしたが、その「何か」が、自分でもよくわかっていなかったのです。

 

 

起業しようかな。――でも、何の?

飲食店でも開くか。――いやいや、料理なんてしたことないし。

前職と近い業種で働くか?――それだと、辞めた意味がない。

 

原田さん、趣味は登山と釣り。あくまで人生の息抜きとして楽しんでおり、仕事にはしたくない気持ちがあります。

 

慌てるにはまだ早いと自分を落ち着かせ、転職サイトを開いてみることに。多様な業種が表示されるなか、とりあえず目に入った「広告」業の詳細を見れば、おびただしい量の会社が並びます。新卒で入社し、そのほかを知らない原田さん。若い社会人が笑顔でアピールするその姿に、ちょっと尻込みしてしまいました。

 

「転職サイトを見たら、急に現実味が湧いてきたといいますか、『俺は、このなかから選ぶのか?』と。今になって正直に言えば、『我に返った』感はありました」

 

「やりがいとか、達成感とか、若かったあのころを思い出したいと考えていたんです。自分が求めていたのはそのワクワク感であって、じゃあ具体的に何をしたいんだと問われると、それは……」

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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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