今回は、Airbnbのゲストが「迷わず部屋まで辿り着く」ための案内法を見ていきます。※本連載は、Airbnb総合研究会代表、阿部ヨシカズ氏の著書『インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド』(ソシム)の中から一部を抜粋し、Airbnbを始める際に知っておきたい法律面・契約面のポイントや、想定されるトラブルの解決法などを紹介します。

Wi-Fiがつながらないケースは案外多い

ある日、警察官から家の位置を確認する電話がいきなりかかってきました。実は、当日チェックインする予定だったゲストが道に迷ってしまい、Airbnbのメッセージをホストに送ろうとしたもののWi-Fiにつながらず、仕方なく交番に立ち寄り警察官に相談したとのことです。

 

日本は先進国なので、街中でも問題なくフリーのWi-Fiにつながると思い込んでいたため、事前に送った地図のURLなどは開いていませんでした。部屋は駅から徒歩10分ほどで、道順もそれほど複雑でなかったことから、事前に送った地図をプリントアウトしていれば、問題なく独力で到着できていたと思われます。

 

実は、最寄りの駅に着いてから部屋の地図をインターネットで開こうと思っていたゲストが、Wi-Fiにつながらずに困ってしまうというケースは案外多いようです。

 

このケースではたまたま交番が近くにあったので、警察官に助けを求めましたが、チェックイン当日に道に迷ってホストに電話などの緊急連絡が入ることは充分に考えられます。

 

日本では、誰でも自由に使える無料Wi-Fiを提供しているスペースもありますが、海外に比べるとカバーしているエリアはそれほど広くありません。部屋の最寄り駅まで来るとWi-Fiにつながらないことに気づくというケースも多いでしょう。

交番に駆け込むゲストが増えれば社会問題にも・・・

そのため、部屋までの地図は事前に印刷したものを持参してもらうか、送った地図のURLをオフラインでも閲覧できるようにしてもらうのが現実的な解決法となります。

 

私の場合は、詳細な地図をPDFで送り、内容を確認してもらうとともに、当日は印刷して持参するようメッセージでお願いしています。私が体験したケースのように、道に迷ったゲストが交番に駆け込むような事例が増えると、社会現象として問題視される恐れもありますので、ホスト全員の課題として対応策を考えておく必要があると思います。

 

一度チェックインした後は、ポケットWi-Fiを自由に使ってもらい、外出先でもインターネットに接続できる環境を提供すると喜んでもらえます。インターネットにさえ接続できれば、オンラインの地図サービスで現在位置を確認できますし、Airbnbでやりとりしたゲストからの道順案内などを開いて見ることができます。また、街に遊びに行った時に、いざという時に役に立つよう、市町村が開設している案内所のリストなどを渡しておくのも効果的でしょう。

 

【図表】トラブル回避のポイント

本連載は、2016年1月12日刊行の書籍『インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド

インターネット民泊仲介サービスAirbnb入門ガイド

阿部 ヨシカズ

ソシム

Airbnb(エアビーアンドビー)は主に海外からの旅行客に対し民泊の仲介を行うサービスで、日本でも急速に利用者を伸ばしています。 本書では、Airbnbしくみと現状の使われ方、副業としての可能性などのほか、旅館業法などの法…

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