生活に困窮する年金生活者「お金を借りて」生活を立て直す方法
――誘い文句に釣られて……愚かでした。でも生活が苦しくて、どうしたらいいのか
止まらない物価高に、悲鳴をあげる年金生活者。「年金を担保にお金を貸す」といわれたら、ついついという人もいるでしょう。ただ前出の通り、年金を担保にお金を貸す行為は法律違反。生活資金等で困っているなら、まずは地域の相談窓口に相談するのが正攻法。どのような支援制度やサービスが必要か、支援員が問題解決に向けた計画を作成してくれます。
また一定の審査要件を満たす場合は、社会福祉協議会が実施する「生活福祉資金貸与制度」を利用し、生活再建を考える手も。
これは、都道府県の社会福祉協議会が資金の貸付けと必要な相談や支援を行う制度で、対象となるのは、必要な資金を他から借りることが困難な「低所得者世帯」、障害者手帳などの交付を受けた人が属する「障害者世帯」、65歳以上の高齢者が属する「高齢者世帯」。
「生活福祉資金」には、「総合支援資金」「福祉資金」「教育支援金」「不動産担保型生活資金」の4種類がありますが、「総合支援資金」は、生活を立て直し、経済的な自立を図ることができるようにするために、生活支援費や住宅入居費、一時生活再建費などの貸付けを受けられる制度です。
生活支援費は、生活を再建するまでの間に必要な生活費として、原則3ヵ月間(最大12ヵ月間まで延長可能)、月20万円(単身者は月15万円以内)までの貸付けを行うもの。住宅入居費は、住宅の賃貸契約を結ぶための資金として、40万円までの貸付けを行います。連帯保証人なしでも貸付けを受けることができ、連帯保証人がいる場合は無利子、連帯保証人がいない場合は年1.5%での貸付となります。
貸付要件は、「市町村民税非課税程度で、生活に困窮する低所得者世帯であること」「公的な書類などで本人確認が可能であること」など6項目があります。
「生活福祉資金貸与制度」は、あくまでも「お金を借りて、生活を立て直すこと」が目的の制度。「お金に困っている、お金をくれ」という声に応える制度ではないので、利用の際に注意が必要です。
[参考資料]