就活中に感じる「学歴フィルター」4割の学生が実感
文部科学省と厚生労働省による『令和5年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(12月1日現在)』によると、大学生の就職内定率は86.0%で、前年同期比より1.6%アップ。この調子で推移すると、次の調査時期である2月1日時点で90%前半、4月1日時点調査で97~98%程度になると考えられます。
昨今の人手不足から、売り手市場といわれていますが、株式会社Legaseedが行った調査では、就職活動を始める時期として「大学1年生」が16.4%、「大学2年生」が38.1%、「大学3年生」が43.4%でした。大学2年生までに就職活動を始めるという、何とも衝撃的な結果。なぜそんなに早く就職活動をスタートさせるのか……そこにあるのは就職活動に対する不安感。実に83.3%の学生が「不安あり」と回答し、63.4%が「内定を獲得できるか心配だから」、56.6%が「自分に合った企業から内定を獲得できるか心配だから」、48.0%が「やりたい仕事がわからないから」と回答しています。
就職活動においてたびたび話題になっているのが「学歴フィルター」。そのようなものがあると公言している企業はなく、「採用は人物重視に行っており、学歴は関係ありません」というのが、企業側の決まった回答フォーマット。しかし内情が異なる企業が多いことは、抑えておかなければならないことでしょう。
日本労働組合総連合会『就職差別に関する調査2023』によると、就活中に「学歴フィルターを感じたことがある」と回答したのは40.4%。4年制大学・大学院の卒業者に限ると、43.9%を占めました。
――説明会やセミナーに、いわゆる学歴の高い学生を優先的に案内する
――書類選考で目を通すエントリーシートを学歴によって選別する
――適性検査などで、学歴によって合格点を変えている
表立っていわれることはありませんが、このような選別を企業側で行っていることはあるそうです。「そんなの不公平だ!」という思いも当然ではありますが、人気企業になると驚くほどの応募数になりますし、先輩社員はXX大学が多いなど社風もあるでしょう。学歴はもちろん、大学でふるいをかけるのは仕方のない部分もありそうです。