東京の大学への進学を目指す長男…応援したい気は山々だが
最後の追い込みをはかる受験生に、それを見守る家族。このような光景が日本の至る所でみられる受験シーズン。そんななか
――給与は全然上がらず……バイトでもして、自分で学費を払ってと頼むしか
――こんな父親で、本当にすまない
そんな投稿をしたのは、長男が東京の大学への進学を目指しているという、49歳のサラリーマン。子どもの合格を願うも、やはり気になるのは大学進学後のお金事情。次男、三男と、子どもは3兄弟(しかも年子)。長男だけの大学進学費用を考えるわけにはいかず、どんなに算盤を弾いても家計は火の車……。
大学進学においては、まず学費。文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』『私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査』によると、初年度納付額は国立大学で80万円強。私立大学になると、文系学部で120万円弱、理系学部で150万円強。順調に4年間で卒業できたとしたら、国立大学で240万円強、私立文系で400万円強、私立理系で550万円強かかる計算です。
さらに親元を離れて下宿となると、仕送りも考えないといけません。全国大学生活協同組合連合会が行った『第58回学生生活実態調査』で下宿生の1ヵ月の家計をみていきましょう。
支出の合計は12万3,630円。貯金・繰越金が1万2,970円なので、平均して11万円程度は必要ということになります。
【大学生の1ヵ月家計】
支出合計…12万3,630円
(内訳)
食費…2万4,130円
住居費…5万3,020円
交通費…4,210円
教育娯楽費…1万3,270円
書籍費…1,540円
勉学費…1,430円
日常費…7,430円
電話代…3,460円
その他…2,170円
貯金・繰越金…1万2,970円
前述の長男が東京の国立大学に合格したとしたら、単純計算、初年度の出費は学費+生活費で214万5,720円。次年度以降は、入学金を引いて、年186万円ほど。少々、眩暈のする現実です。
厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、49歳のサラリーマンの平均給与は、大卒・正社員で、月収で46.0万円、年収で837.2万円。3兄弟の進学が重なると、眩暈だけではすまないことになります。