労働環境が悪く、社員が疲弊している「ブラック企業」。そのような会社は働き方改革が推進されているなかで絶滅するといわれていましたが、昨今は「新しいブラック企業」が話題となっています。みていきましょう。
「うちの会社、ブラックですね」「えっ⁉」月収23万円〈20代若手社員〉のツッコミに〈40代中堅社員〉絶句…働き方改革の落とし穴

「ホワイト企業」のようだけど…“ブラック認定”の企業、増加

――うちの会社って、ブラック企業ですよね(月収23万円・20代の若手社員)

――えっ……そんなことないんじゃない。定時で帰れるし、休みも多いし(月収38万円の40代のベテラン社員)

 

中堅社員が思わず言葉を失った、若手社員からの思いがけない指摘。「ブラック企業」。過酷な環境で労働者を働かせる会社の俗称で、法的な明確な定義はありません。イメージするのは、常識を逸脱した長時間労働、過剰ノルマ、低賃金、残業代未払い、ハラスメントの横行……聞くだけで“ヤバい!”という会社が、ブラック企業のイメージです。

 

ひと昔前であれば、そんな会社は当たり前という世界でしたが、昨今は法整備により、ブラックと呼ばれる企業はグッと減った印象。それでも人手不足が慢性化している中小企業や業界によっては、まだまだ長時間労働や、法外な低賃金も横行。ブラック企業撲滅も、なかなか実現が難しいと言わざるを得ない現状です。

 

一方で最近は、一見すると「ホワイト企業」、つまり「ブラック企業」の正反対、定時で帰れるうえ休みもしっかりとれる、上司も何かと優しくて、ノルマも一切なし……そんな企業にもかかわらず「ブラック」と烙印を押される企業が増えているのだとか。

 

――ゆるブラック企業

 

最近、耳にする機会が増えた言葉です。仕事はラク、しかし成長できず収入もあがらない会社の俗称として使われています。

 

エン・ジャパン株式会社/エン転職が5,773名から回答を得た『ブラック企業・ゆるブラック企業についてアンケート』によると、「あなたが勤めている企業は、ブラック・ゆるブラック・ホワイトのいずれに当てはまると思いますか」の問いに対し、「ブラック企業」と回答したのが32%、「ゆるブラック企業」が27%、「ホワイト企業」が13%、「特に当てはまらない」が28%でした。実に4社に1社は、「ゆるブラック企業」と認識されています。

 

業界ごとにみていくと、「ゆるブラック企業」の割合が多いのは「インフラ」で32%。「運輸・交通・物流・倉庫」が30%、「不動産・建設・設備」「商社」が28%と続きます。また割合が少ないのは「コンサルティング・士業」「官公庁・独立行政法人・団体・連合会」で21%でした。

 

ちなみに「ブラック企業」の割合が多いのは「サービス」で37%、割合が少ないのが「IT・通信・インターネット」で19%。「ホワイト企業」の割合が高いのが「IT・通信・インターネット」、割合が少ないのが「運輸・交通・物流・倉庫」で8%でした。

 

なぜ「ゆるブラック」と感じてしまうのか。その理由として最も多いのが「労働時間が適切だが、仕事で成長できないから」で57%。「評価が上がりにくいから」48%、「仕事に見合う賃金だが上がりにくいから」41%と続きます。

 

ちなみに「ブラック企業」だと思う理由で多かったのが「仕事に見合わない低賃金だから」、「ホワイト企業」だと思う理由で多かったのは「休みがとりやすい・多いから」でした。