離婚調停中の実質的シングルマザー
――灯油代が高い!
と嘆く東北地方在住、5歳の男児を抱える30代の女性。夫とは離婚調停中で、いまは自身のパートタイム、月12万円ほどの収入だけでやりくりをしているといいます。実質的にシングルマザー。「生活保護の申請を」とか、「婚姻費用分担調停申立てを」など、アドバイスをもらったといいますが、毎日の生活に離婚問題と、それどころではないといいます。
総務省統計局『小売物価統計調査』によると、全国の灯油18Lの価格は2,098円。昨年あたりから2,000円を突破し、高止まりといった状況。さらにスーパーでのひとコマ。苦しい懐事情を垣間見ることができます。
――牛乳1本230円って……たかっ!
――「お菓子!」とせがむ息子……ごめん、いま、小銭さえない!
なんとか食費を抑えようと、自身は食事を我慢することもあるのだとか。「もう、雪でも食べて空腹を紛らわすしかない(笑)」といった自虐まで。
厚生労働省の調査によると、母子世帯で養育費の取り決めを行っているのは46.7%と半数以下。養育費の取り決めをしていない理由として多いのが、「相手に支払う意思がないと思った」で40.5%。続いて「相手に払う能力がないと思ったから」33.8%と続きます。
また養育費の取り決めを行っていたとしても、必ず養育費がもらえるとは限りません。「現在も養育費を受けている」は全体の28.1%。「養育費を受けたことがある」が14.2%と、最初はもらっていたけれど、支払われなくなるケースは結構な数にのぼります。
さらに養育費の平均額は母子世帯で月5万0,485円。子ども1人の場合は、平均3万8,207円。子どもを育てるのに十分とはいえません。
離婚が成立し養育費がもらえることになっても、とても暮らしてはいけないことは分かっていると前出の女性。生活を安定させるためにも正社員を目指し、就職活動中だといいますが、未就学児のいるシングルマザー、就職活動は難航中だとか。厳しい状況は、当分、続きそうです。
[参考資料]