介護が必要になった親。自宅で介護を続ける手もありますが、仕事をしている場合、両立はかなり大変。そこで「老人ホーム」に入所するという手もありますが、入所したらそれで終わりとは限らないようです。みていきましょう。
年金月10万円の80代母、待機1年で「特養」入所決定!歓喜した50代長女、半年後に「鬼の形相」を浮かべたワケ

特養は原則「要介護3以上」が入所条件。「要介護2」になると…

厚生労働省『令和4年就業構造基本調査』によると、1年間で介護を理由に介護離職をした人は10万人以上にものぼり、そのうち女性が8割を占めています。また介護に直面すると誰にも相談せず、肉体的にも精神的にも追い詰められてしまう人も多いといいます。地域包括支援センターやケアマネージャーに相談することが仕事と介護の両立の第一歩です。

 

ただアドバイスの通り、特養に申し込んでも入所待ちとなると、なかなか大変なもの。それだけに女性が歓喜したのも納得かもしれません。ただこの話には後日談があり、母親の特養入所の報告から半年ほど経ったあと

 

――母が特養から追い出される!

 

と悲痛な叫び。なんでも要介護3だった母親が、要介護2になったのだとか。それに伴い、施設側から「退去してほしい」と申し出があったといいます。

 

――いまさら自宅で介護なんて、絶対無理!

――施設長と話したとき、きっと鬼の形相だった……わたし

――母の状態が良くなったのは嬉しいことだけど…複雑

 

特養は特例として、要介護1、要介護2の人が入所できるケースもありますが、原則として要介護3以上の人が利用できる施設。入所後に介護状態や心身状態が回復し要介護度が2に下がった場合は、退所しなければならないこともあります。

 

要介護2になっても施設に空室があったり、特例入所の条件を満たしていれば、退去要請はない場合も。また要介護2の認定結果に対し、「介護保険審査会に不服申し立て」を行ったり、「区分変更申請を行い再調査」という方法も。

 

それでも退去が決まってしまったなら、再び在宅での介護を覚悟するか、転居先を探すかの二択。女性の母親の場合は後者を選択しようか、迷っているところだといいます。特養の魅力はなんといっても費用。それを民間の施設で実現しようとなると……なかなか難しいようです。

 

[参考資料]

厚生労働省『特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)』

厚生労働省『令和4年就業構造基本調査』