群馬県桐生市「1日1,000円」生活保護の不適切支給
群馬県桐生市。生活保護受給者の一部に対し、全額を支給せず、「1日1,000円」「1週間10,000円」などと不適切に日・週割りで支給していたことが明らかになりました。
生活保護は最後のセーフティネット。申請は国民の権利であり、誰もが「無縁」とは言い切れない性質のものです。不適切な支給は、憲法25条に規定される生存権の保障や生活保護法に反します。当然、この件に対しては厳しい声が寄せられています。
本来、桐生市に暮らす「高校卒業後〜64歳・一人暮らし」の方の場合、「月10万1,460円(持ち家の場合は7万1,460円)」受給できると規定されています。1日1,000円では生活していけるわけもなく、新たに職を探そうにもままならないでしょう。
また「〜64歳の親と小学生の子1人で暮らす母子家庭」の場合、受給額は「月17万7,690 円(持ち家の場合は14万1,690円)」と規定されています。母子家庭では、貧困により生活保護を受給している家庭が比較的多い状況です(貧困率に対し、受給率が低いという問題も存在します)。
実際に厚生労働省『令和3年度 全国ひとり親世帯等調査』を見ていくと、母子家庭(119.5万世帯)の86.3%、父子家庭(14.9万世帯)の88.1%が就労していますが、母子家庭では正規雇用48.8%に対して、パート・アルバイト38.8%という状況。
母子家庭では、母親の平均年間収入は272万円(うち平均年間就労収入は236万円)、同居親族を含む世帯全員の収入は373万円となっています。ひとり親家庭のうち生活保護を受給している「母子世帯」は9.3%、「父子世帯」は5.1%です。
日本の人口全体の割合を見ていくと1.63%ですから、やはり高い割合であることがわかります。