給与水準が全国で一番高い東京。そんな大都会での暮らしを夢見て、毎年たくさんの若者が上京します。一方で家賃や物価の高さから「東京暮らしを続けていられない」と地元に戻るケースも。そこで待っているのは明るい未来……というわけでもなさそうです。みていきましょう。
東京じゃ暮らしていけない!「手取り21万円・30代サラリーマン」の悲鳴…地元に戻れば生活は楽になるが「結婚はムリ」の絶望未来 (※写真はイメージです/PIXTA)

経済的に恋愛も結婚もNO!「10代から老後を不安に思う」日本の実情

結婚適齢期の男性。地元に戻り、生活がいまより楽になったら、結婚を意識……ということはないようです。

 

――結婚はムリですね、お金もったいないし

 

そう、肩を落とす男性。株式会社リクルート/リクルートブライダル総研が先日発表した『恋愛・結婚調査2023』によると、20~40代の未婚者で「恋人がいる」は29.7%。さらに「交際歴のない男性」は20代で46.0%、30代で41.2%、40代で22.9%。また「(いずれは)結婚はしたい」は46.1%、「(今後も)結婚はしたくない」は25.6%。結婚に後ろ向きな人は年々増加傾向だといいます。結婚意向がない/どちらとも言えない、その理由のトップは「金銭的に余裕がなくなるから」で36.4%。そもそも「恋愛は時間とお金の無駄である」が男女全年代で増加傾向だというから、結婚どころではありません。

 

物価高騰に合わせて、賃上げの動きもありますが、それではあまり「結婚したくない」という若者には響かない様子。その理由にあげられるのが、老後の不安です。

 

現在高齢者1人を2人の現役世代で支えていますが、2030年には1.9人、2040年には1.5人、2060年には1.4人で支えるという将来が予想されています。現在の水準で高齢者を支えていては、国は破綻してしまいます。そのため、徐々に高齢者のサポートは減っていくのは既定路線。つまり一層の自助努力が求められるわけです。

 

日本財団が行っている『18歳意識調査』によると、自身が高齢者になったときの経済状況について、男性で約6割、女性では約7割が「不安」と回答。また年金制度について、男性で約7割、女性で約8割が「現行制度の維持は難しい」または「破綻」と答えています。

 

異次元の少子化と称し、少子化対策に躍起になり、その分、高齢者の負担は増える方向に進んでいます。ただそれでは、10代のうちから自身の老後を悲観し、「恋愛も結婚もお金の無駄」と考えてしまいます。もう手詰まりと悲観するしかない、それが日本の現実です。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』

総務省統計局『小売物価統計調査(2023年10月)』

総務省『家計調査(家計収支編)』

式会社リクルート/リクルートブライダル総研『恋愛・結婚調査2023』

日本財団『18歳意識調査』