貯蓄型保険のほうが「10年で34万円の損」になることも
そもそも「保険で得をする」というのは、遠い昔のお話。バブルの頃の保険は、予定利率が6%もあったのです。
予定利率とは、保険会社が保険料を割り引いてくれる率をいいます。予定利率が高いほど、割引が多くなるので、保険料が安くなります。当時は養老保険に加入して、保険料100万円を一時払いにすると、10年後には180万円になって返ってきたという夢のような時代でした。
掛け捨て保険が損だと主張するのは、この時代に保険に入った世代に違いありません。もっともその時代の定期預金の利息は6%でしたから、保険だけがお得だったわけではありません。
養老保険は、保険期間が終了すると満期保険金を受け取れる商品です。一方、掛け捨て型の保険(定期保険等)は契約期間中に死亡しなければ保険金をもらえません。そのため、掛け捨て型の保険は、貯蓄性がないからこそ割安に加入することができます。
30歳の男性が死亡保険金500万円の「養老保険」と「定期保険」に加入したケースと比べてみましょう([図表2]参照)。
養老保険の保険料の合計は540万6,000円です。この保険の満期保険金500万円を差し引いた掛け捨て部分は40万6,000円にも達します。
一方、定期保険は6万9,600円で同じ500万円の死亡保障を得られるのです。その差額はなんと34万円です。貯蓄型の保険が掛け捨て型の保険と比べてどんなに損なのか、おわかりいただけましたでしょうか。
横川 由理
FPエージェンシー代表
CFP®
MBA(会計&ファイナンス)
日本証券アナリスト協会 認定アナリスト
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