大変なこと、苦しいこと、悔しいこと、色々とあるサラリーマン。「定年後は悠々自適な生活を」と信じて頑張っているでしょう。しかし定年後に多くの人に待っているのは「地獄のような生活」です。定年を間近に控えたサラリーマンたちの実情をみていきましょう。
年金月17万円、退職金2,000万円、貯蓄1,800万円…59歳サラリーマンが直面する「定年リタイア」という地獄 (※写真はイメージです/PIXTA)

「老後の生活資金」…平均値でみると余裕にも思えるが

老後の生活資金となる、年金、貯蓄、退職金。年金で足りない分は貯蓄を取り崩し、退職金は万が一のための保険……というパターンが多いでしょうか。すべてが平均的な専業主婦世帯だとすると、ローンはすべて完済していて、年金は手取りで20万円程度。貯蓄は1,200万円ほどあり、退職金も2,000万円弱、そんな平均像がみえてきます。

 

――老後って意外と余裕なのでは?

 

そう感じられますが、実際は「老後の不安」を口にし、定年後も働くことを選択しています。

 

前出の『「定年後の働き方」に関する意識調査』で、定年を間近に控えるサラリーマンの貯蓄額をみていくと、「100万〜300万円未満」が最も多く13.5%。「年収500万円未満」を合わせると、31.4%と、3人に1人の水準。さらに「貯蓄していない」という切実な人たちも24.1%と、4人1人が「定年前だけど……貯蓄がまったくない!」という状況にあります。これが平均値からはみえてこない、定年を控えたサラリーマンの実情です。

 

年金だけでは老後は生活できないということが強調され、誰もが自助努力の重要性を認識している昨今。しかし実際は「分かっているけれど、お金が貯まらない/貯められない」という人があまりに多数を占めます。「定年リタイア」の先にあるのは「お金が足りず生きていけない」という、何とも切羽詰まった地獄のような状況しかないのです。

 

定年後には悠々自適な老後生活。そんな夢も描けなくなった日本のサラリーマン。社会人になって苦しい思いをしてきたからこそ、せめて定年後は「仕事が楽しいから」などと、前向きな理由で働きたいものです。