成績を伸ばすだけでは、合格に届かない
やる気もそれなりにあるし、教わった正しい勉強を続けてきた、それでも成績が思うように伸びない、合格が危ういと嘆く人もいます。こんなときは弱気にもなって、やはり自分には勉強が向いていない、地頭が違う、やっても無駄だなどと思ってしまいます。しかし、努力が無駄だということは、絶対にありません。
目標を決めて一生懸命努力していれば、少なからず力はつきます。ただ受験においては、努力の内容、努力する時間、努力する量などを正しく見積もらず、漠然と行ってしまうと、合格という「成功」に届くために必要なだけの力を入試当日までにつけることができず「そこそこ頑張った」で終わってしまうのは確かです。
志望校合格のために必要とされる学力レベル(ゴール)と、今の自分の実力(スタート)を見極めて、ではあとどれくらいの期間で、どれだけの実力をつける必要があるのかということを逆算して自分のための計画を立て、実行できなければ合格はできません。したがって、きちんと考えて志望校を見定めることはもちろん、今の自分の実力を見誤らないことが重要になります。
しかし、多くの人は目の前の偏差値に振り回されて、この判断が正確にできなくなっています。偏差値はあくまでもその時点で表に出ている自分の実力を示す指標であって、その人のもつ全能力を測るものではありません。
正しい勉強法で、必要な時間、ベストコンディションでしっかり取り組めば、自分のなかにあるポテンシャルを引き出して、さらに実力を伸ばしていくことができます。かつ、それを志望校の合格に必要なラインに届かせる計画性をもって進め、徹頭徹尾、やり遂げることで合格できるのです。
ハードルの高いことを言っているように聞こえると思います。実際、現役で第一志望に合格できる人だけがそれをやり遂げたと考えれば、楽なことでないのは当然です。しかし不可能ではありません。あえて断言しますが、これは誰にでもできることなのです。
分かれ目はたった1つ、やるかやらないか
自分は頭が悪いから、などと言い訳をして勉強をしてこなかった人にとっては、いきなり耳が痛い話かもしれません。でも、心配はいりません。大半の受験生は同じようなものです。勉強をしなければいけないと分かってはいても、スマホから目が離せない、気がついたら寝る時間になってしまった、今日も部活とゲームで終わってしまった、などと言い訳しながら大切な時間を浪費しています。
私は自分の塾に入塾する生徒以外にも、たくさんの受験生に接する機会があります。彼らには、塾や予備校の授業を聞くだけでなく、正しい方法で3000時間の自学自習を実行すれば志望大学に合格できるよ、とアドバイスしているのですが、それを実行に移す人はせいぜい10人に1人ぐらいのものです。残りの9人は、面倒くさがったり、そんなの自分には無理だと言い訳したりして、行動を変えることはありません。
しかし、私のアドバイスを素直に受け入れ、実行した1割の受験生は成績を大幅に伸ばし、志望大学に合格しています。その分かれ目はたった1つ、やるかやらないか、それだけです。つべこべ言わずに計画を立ててそのとおりに実行する、それだけで9割の受験生を出し抜くことができるのです。
君が本気で大学合格を目指しているなら、今すぐに状況を改善すべきです。逆に言えばこの本を手にした今こそが最大のチャンスです。なぜならそのためのメソッドこそ「鬼管理」だからです。
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菅澤 孝平
シンゲキ株式会社 代表取締役社長