新NISAのギモン…「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の違いとは? 「年間360万円の非課税投資枠」使いきれない場合はどうなる?【FPが回答】

新NISAのギモン…「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の違いとは? 「年間360万円の非課税投資枠」使いきれない場合はどうなる?【FPが回答】
(画像はイメージです/PIXTA)

2024年、従来のNISA制度から、さらに使い勝手をよくした「新NISA」がスタートします。初心者の方から多く寄せられる疑問に、お金のプロが平易に解説します。※本記事は、酒井富士子氏の著書『60分でわかる! 新NISA 超入門』(技術評論社)より一部を抜粋・再編集したものです。

「つみたて投資枠」と「成長投資枠」はどう違う

◆長期積立向けのつみたて投資枠、自由度の高い成長投資枠

現行の「つみたてNISA」と「一般NISA」をそれぞれ引き継ぐ形で新たに設けられるのが、「つみたて投資枠」「成長投資枠」です。つみたてNISAと一般NISAは別の制度で、同じ年に併用することができませんが、新NISAでは1つの制度の中で枠が2つに分かれる形になり、併用も可能になります。

 

年間の非課税投資枠の上限は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。別勘定ではあるものの、あくまで1つの制度なので、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で利用するということはできません

 

つみたて投資枠は積立のみ、成長投資枠は一括購入・積立のどちらも可能という違いがあり、投資できる商品も異なります。つみたて投資枠で購入できる商品は、現行のつみたてNISAと同様に一定の要件を満たした投資信託とETFのみ。ラインナップの大部分はインデックス型の投資信託です。また、購入時手数料は無料で、保有中に発生する運用管理費用(信託報酬)も一定水準以下に限定されているなど、低コストで投資できます。そのため投資初心者はまず、こちらの枠から使うのが基本です。

 

一方、投資信託やETF以外に、株式、REITなど幅広い商品を購入できるのが成長投資枠です。つみたて投資枠に比べて、よりハイリスク・ハイリターンな投資ができるのが特徴です。投資の知識がそれなりにあって株式投資をしたいという人や、つみたて投資枠を使っても余剰資金がある人は、この枠も活用するとよいでしょう。

 

★つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠になる(別勘定)

 

投資初心者は「つみたて投資枠」からスタート! 余裕があれば株式投資もできる「成長投資枠」も使いましょう。

 

[図表1]

 

【まとめ】

 

□ つみたて投資枠・成長投資枠には年間投資枠に上限がある

□ つみたて投資枠の投資方法は積立のみ。投資初心者向け

□ 成長投資枠では株式投資も可能。やや上級者向け

年間360万円の非課税投資枠、使い切らないとどうなる

◆投資枠内であれば自由に使える。使い切らなくてもOK

新NISAの年間の非課税投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円、合計360万円です。この投資枠は新たに投資する資金のみが対象で、つみたてNISAや一般NISA、課税口座ですでに運用している資産を新NISAに移すことはできません。

 

年間の非課税投資枠の範囲内であれば、毎月どのように枠を使うかは自由です。つみたて投資枠を使って毎月一定額を積み立てるのが基本ですが、絶対に継続して投資しないといけないというわけでもありません。

 

つみたて投資枠は年2回以上投資すれば積立と見なされるので、ボーナスのときだけ投資するといった方法もとれますし、お金に余裕が出たときは定額の積立に上乗せしたりしてもよいでしょう。

 

「年100万円は投資に回せる」ということであれば、つみたて投資枠で毎月3万円ずつ積み立て、年2回のボーナス時には30万円ずつ積み立てるといったように、自分で組み合わせを考えればOKです。

 

もちろん枠をすべて使い切る必要もありません。予算が少なければ、毎月1万円などの少額投資でもよいのです。投資初心者は、最初は少額の積立から始めて、投資の感覚に慣れたら徐々に増やしていくと安心です。

 

なお、使い切れなかった枠の繰り越しはなく、上限は常に年360万円です。ムリに投資して、生活が立ち行かなくなったり、暮らしを楽しめなくなっては元も子もありません。投資は余剰資金で行うのが鉄則。自分のペースで投資をしていきましょう。

 

★枠すべてを使い切る必要はない 

 

新NISAの年間の非課税投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円、合計360万円ですが、予算が少なければ、毎月1万円などの少額投資でOK!

 

使い切れなかった枠の繰り越しはなく、上限は常に年360万円です。

 

[図表2]

 

[図表3]

 

【まとめ】

 

□ 年間投資枠内であれば、毎月いくら投資するかは自由

 

□ 投資枠を使い切る必要もないため、自分のペースで投資する

 

 

酒井 富士子
経済ジャーナリスト、FP

※投資にはリスクがあります。投資はリスクを十分に考慮し、読者の判断で行ってください。なお、執筆者、製作者は、本記事の情報によって生じた一切の損害の責任を負いません。

60分でわかる! 新NISA 超入門

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酒井 富士子

技術評論社

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