新築マンションの価格は上昇を続け、とても一般のサラリーマンでは買えない水準に。「もう東京で家は買えないのか……」と諦めかけた人たちが目を向けているのが、中古マンションです。ちょっと古いけど、リーズナブル。しかし、購入にあたっては細心の注意を払う必要があります。みていきましょう。
悔やんでます…〈月収33万円・30代サラリーマン〉頑張って買った「東京23区の中古マンション」に訪れる想定外「何かの間違いでは」 (※写真はイメージです/PIXTA)

中古マンション購入後、すぐに訪れるかもしれない「まさかの出来事」

ちょっとムリをしたかもしれないけど、中古マンションで叶えた東京23区マイホーム暮らし。幸せな日々が続くかと思えば、昨今、不穏な出来事が。

 

ーーまさか、こんなことが起きるなんて

 

10年前に東京近郊で中古マンションを買ったという、現在40代のサラリーマンの呟き。現在の半分近い価格でマイホームを実現し、DIYで少しずつ理想の住まいに近づけていったといいます。しかし、先日、大規模修繕が具体化。そこで明らかになったのは、昨今の資材や人件費の高騰で、当初の予定の2倍近い金額になることでした。積立金では賄うことができず、理事会は紛糾。計画は暗礁に乗り上げているといいます。

 

消費者物価指数で住居の外壁塗装や水道工事などにあたる「工事その他のサービス」をみてみると、2020年を100とした際に、この10年でおよそ2倍に上昇。これは主に戸建ての工事に関するものですが、当然、マンションの修繕費も同様に価格が高騰していると考えられます。また国土交通省の調査ではおよそ3割のマンションで修繕積立金が足りないという結果が出ています。

 

入居者から賛成を得ることができ、不足分を補うことができれば何の問題もありませんが、想定の2倍、3倍などといわれたら、すぐに首を縦にふることは難しいでしょう。

 

新築マンションであれば、初めての大規模修繕は12〜15年後。昨今の物価高も考慮したうえで積立金を設定するなど対策を講じることができますが、中古マンションの場合、数年後に大規模修繕が計画されているものの、すでに工事費が足りないことが露呈、というケースも。「もう長く住むことは考えてないから」という入居者も多く、修繕計画の見直し=積立金の値上げに反対することも、よくある話です。

 

元々、古いことを了承し、なんとか手に入れたマイホーム。しかし購入後に知る、工事費等高騰による「修繕金の不足問題」。入居者の賛成は得られず、マンションはどんどんボロボロに。そんな状況をみて「何かの間違いでは」と後悔する日々……。

 

中古マンションは新築よりも安く、購入後の自由度も高いのが魅力。ただ大規模修繕に関しては実施前から計画が破綻しているケースも多く注意が必要です。修繕計画の状況についてしっかりと見極めることが、中古マンションで理想のマイホームを実現する、第一歩になります。