給与を上げることを目的に転職活動に臨む際、「儲かっている会社=給与が高い」と安易に判断してはいけません。またネームバリューのある上場企業であっても、予想していたほど給与が上がらないという事態も起こり得るといいます。本稿では、東京エグゼクティブ・サーチの代表取締役社長・福留拓人氏が、転職で給与を上げる方法について解説します。
「儲かっている会社=給与が高い」は大きな勘違い…転職で〈給与アップ〉するための“会社選び”とは?【転職のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「入り口」を間違えば、転職で給与を上げるのは難しい

上にみた重要な情報というのは、一般の求職者が数字を入手して確実に分析するには少々難しいと思います。

 

転職で給与を上げる方法は、まず給与水準の高い企業をみつけ、その評価制度の裏付けを確認した上で、会社を選ぶことです。つまり、「入り口を間違えないこと」。転職で給与を上げる方法についての正解は、この1点のみといってよいでしょう。

 

日本の転職市場の傾向としてある程度は既成事実になっていますが、大企業から中小企業への転職は容易く、中小企業から大企業への転職は困難を伴います。

 

そして、ネームバリューのない規模の小さい会社というのは、日常の業務内容をみてみても、厳しさと隣り合わせであることが多いように思います。この厳しさというのは決して「理不尽」ということではなく、信賞必罰に連動したものといえます。いくら努力しても報われない厳しさに飛び込むと、悲惨なことになるので留意したいところです。

 

転職先を選定する際のソースとして、ぜひ参考にしたいのがいわゆる「口コミサイト」です。最近は元従業員の口コミサイトがかなり充実していて、小規模な会社でもある程度の投稿数があります。給与に関心がある場合は、給与水準や評価制度について、元従業員の口コミに目を通してから面接に臨むのがよいでしょう。

 

ここまでみてきた通り、給与を上げるためには仕事で実績を挙げることが不可欠ですが、そもそも転職の目的が「給与アップ」なのであれば、「入り口」を間違わないことが何よりも重要です。そして、給与を上げるためにはどれだけ高いハードルを越えなければならないのか、口コミサイトなどを参考に、しっかりと吟味する必要がありそうです。