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「ゾンビ企業を減らせ」…その裏側にあるもの
ゾンビ企業とは、すでに実質的には立ち行かなくなっているにもかかわらず、公的支援などによって存続している企業のことです。こうした企業が減ることは、人材・転職市場にも少なからぬ影響を与えると考えられます。
まずは現在にいたるまでの経緯を見てみましょう。少子高齢化が加速度的に進み、その対策として外国人を積極的に受け入れるべきだという議論がありました。しかし、この問題は想定以上に国民の関心を集め、不安の声も広がりました。移民政策に対する世論は総じて慎重、あるいは否定的だったといえます。
その結果、幹部人材を含めて外国人の優秀な人材を積極的に受け入れる機運は、思うほど高まりませんでした。むしろ逆風が強まったともいえるでしょう。つまり、少子化が進むなかで移民によって労働人口を補う道筋は、現時点では容易ではありません。直近二度の国政選挙を経て、この課題の解決は遠のいた印象があります。
とはいえ、現実として、若年層を中心に労働力は不足しています。また、この先の生産年齢人口減少の加速も、すでに避けられない状況です。
一方で、新型コロナウイルス感染症の収束から数年が経ち、当時、特例の緊急融資を受けた多くの企業で、猶予されていた返済が本格的に始まっています。金融機関からの長期借入金の返済は損益計算書(PL)には直接反映されません。売上や利益には現れませんが、資金繰りには大きな影響を及ぼします。コロナ禍で背負った負債は、いまも企業の重荷となっているのです。
こうした負債や物価高の影響もあり、表面上は業績が回復している企業でも、資金繰りが追いつかず、いわゆる「黒字倒産」に追い込まれるケースが増えています。
では、国は再び特例措置を講じて企業を広く救済するのでしょうか? どうも、これまでとは風向きが変わっているように感じられます。返済開始後に自力で立て直せない企業については、市場からの退出をある程度容認する姿勢がにじんでいるように思われるのです。