お金で悩むなら複数の入りのフローを確保すべし
お金の不安がいつまでも払拭できない人は、今現在、自分にどれだけのお金があるのか? という「お金の量(貯金残高)」に関心が向いています。
もちろん、限られたお金を効率よく配分するために、このストック思考を活用することは、とても大切なことです。
しかし、いくらお金の量があったとしても、減っていく一方では、心の不安は消えないのではないでしょうか? 1本しかないフローに命を預けることも同様です。命綱は1本より2本あったほうが安心でしょう。
このように、不安の解消のためには、「複数の入りのフロー」が確保されている状態をつくることが大切です。お金の量が一時的に減ったとしても、回復する予定が立っていること、そして、お金がどのように得られ、どのように使われ、そしてどのように増えていくのか、その全体の動きを自分で把握し、コントロールできていることが必要なのです。
もうひとつの収入に目を向ければ貯金で悩まない
ひとつ例を挙げてみましょう。Aさんは東京に住む30代会社員です。毎月30万円を稼ぎますが、趣味や飲み会などで、いつもその月のうちに全額を使いきってしまいます。故に貯金はありません。
対してフリーランスのBさんは、親の遺産を受け継いで貯金が500万円もあります。月の稼ぎは25万円前後で不安定です。ほぼ毎月5万円程度、貯金を切り崩して生活しています。
このAさんとBさんは、どちらが将来の不安がない状態でしょうか? 恐らく、どちらも不安なはずです。
実際、Aさんは、「貯金がないと何かあった時に困る」と漠然とした不安を抱くようになり、娯楽費を切り詰め始めました。
一方のBさんは、「このままでは8〜9年で貯金ゼロになってしまう」と計算し、旅行を我慢したり、安定した収入のある会社員に戻ることを考えたりするようになりました。
では、次のCさんのケースはどうでしょうか? Cさんは会社員として月に25万円を稼いでいます。貯金は10万円です。
ところが、占いの副業でお給料の他に月5万円を稼いでいます。Cさんは、その5万円のうち半分を生活費に、残りの半分を貯金と投資信託の購入に充てています。
Cさんの貯金は確かに多くはありませんが、「貯金がない」と悩んだことはないそうです。「1年後には貯金が2倍になる」「投信も値上がりするかもしれない」「大好きな占いを生涯続けていきたい」とワクワクが止まりません。
Cさんは、最近、さらに“占い師養成講座”を始め、新しい入りのフローを増設しました。そこから得たお金は全額、インデックスファンドへの投資に回しているそうです。