「認知症」「要介護状態」になっても“一人暮らし”を続けられる!進化した「介護サービス」と「AIアシスタント」【介護ジャーナリストが解説】

「認知症」「要介護状態」になっても“一人暮らし”を続けられる!進化した「介護サービス」と「AIアシスタント」【介護ジャーナリストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

2020年の国勢調査によると、65歳以上の高齢者の5人に1人が一人暮らしです。もし一人暮らしの高齢者が認知症を発症したら、どうすればよいでしょうか。認知症で要介護状態になった場合に一人暮らしを続けながら利用できる公的サービス、日常生活に役立つ最新の技術について、介護ジャーナリストの小山朝子氏の著書『ひとり暮らしでも大丈夫! 自分で自分の介護をする本』(河出書房新社)から、一部抜粋してご紹介します。

もの忘れ防止にも活用できる「AIアシスタント」

最近は、視線入力装置やスイッチを押すことで文章を打ち込み読み上げる意思伝達装置もあります。筆者は、筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)(ALS)という難病にかかり、わずかに動く指でパソコンを操作しながらひとり暮らしをしている女性のご自宅を訪問したことがあります。

 

また、ひとり暮らしで移動することが困難になった場合は、話しかけるだけで家電を動かしてくれたりする「スマートスピーカー」が便利です。スマートスピーカ―には、Amazonの「Alexa」や「Google アシスタント」といったAI(人工知能)アシスタントが搭載されています。AIアシスタントを活用することによって、いろいろなことができるようになっています。

 

また、AIアシスタントに家電・スマートリモコンを連携させれば、音声でリモコンを作動させ、家電を操作することも可能になります。

 

【AIアシスタント搭載機器単体でできることの例】

・音楽を聴く

・ニュースを聞く

・天気予報を聞く

・アラーム・タイマー

・ネット・ショッピング

・ビデオ通話

 

【連携家電・スマートリモコンを使ってできることの例】

・エアコンの操作

・テレビの操作

・動画・写真再生

・掃除機の操作

・調理家電(電子レンジなど)の操作

・鍵の施錠・開錠

 

筆者の家でもこれまで使用していた家電をAIアシスタントに対応している家電に少しずつ買い替えており、現在では照明なども「アレクサ、照明をつけて」といったように音声で操作しています。

 

また、スマートスピーカーで「10分後にアラームを鳴らして」と話しかけ、遅刻やもの忘れの防止のためのアラームとしても活用しています。

 

さらに、会話を通じてこちらの知りたい情報を教えてくれる「ChatGPT(チャットジーピーティー)」は孤独感の解消にも一役買ってくれそうです。

 

テクノロジーの活用で楽しく安全に暮らす

筆者の家ではネットワークカメラ(インターネットに接続できるカメラ)を活用しています。撮影された映像はクラウド上で管理できるのも特徴です。

 

使い始めたきっかけは、空き家となった親族の家の防犯のためですが、いまでは我が家の室内やガレージなどにも小型カメラを設置するようになりました。

 

加えて玄関の扉に向けてカメラを設置しており、鍵を閉め忘れていないか、家を出てから慌てて確認したこともあります。この経験から「もの忘れ対策」にもカメラは活用できると感じました。

 

一方、最近はカメラ・マイク・スピーカーが搭載された「分身ロボット」も注目されています。自分がその場にいけなくても、その場にいるロボットにつなぐことで自宅にいながらでもその場に参加できます。

 

これからの時代、テクノロジーを活用することで、ひとり暮らしで介護が必要な状態でも可能なことが増えていきそうです。

 

[図表3]ネットワークカメラ利用のメリット

 

 

小山 朝子

介護ジャーナリスト・介護福祉士

 

ひとり暮らしでも大丈夫! 自分で自分の介護をする本

ひとり暮らしでも大丈夫! 自分で自分の介護をする本

小山 朝子

河出書房新社

家族に面倒をかけたくない、施設に入らず最期まで自宅で過ごしたい…高齢になってもひとり暮らしを続けるために、公的サービスを上手に利用しながら在宅でケアを受ける知恵と方法を教える。

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