東京23区では平均1億円超となった新築マンション。平均的な稼ぎのサラリーマンが新築物件を手に入れるハードルはここ数年でグッと上がっています。そこで、マイホームの選択肢として「中古マンション」を挙げるケースもあるでしょう。しかし、物件の額面価格やローン返済金額のみで判断するのは危険かもしれません。詳しくみていきましょう。
貯蓄ゼロだが「いますぐ」マイホームが欲しい30歳・会社員…〈中古マンション〉購入時に必ずチェックすべきポイントとは? (※写真はイメージです/PIXTA)

中古物件を購入するときの注意点とは?

上にみた通り、30代前半で1,200万円もの自己資金を調達するのは容易ではありません。それが、マンション購入者の平均年齢がほぼ40歳となっている理由の1つといえるでしょう。

 

仮に、先ほどの5,000万円のマンションを頭金なしで購入したとすると、上と同様のローンでは利息分が385万3,934円、月々の返済額は14万9,594円、年間返済額は179万5,128円となります。平均給与に照らし合わせると、年収に占める返済負担率は約33%。これでは、かなりの負担感が伴うことになります。

 

それでも、マイホームが欲しいとき=「買い時」を逃したくない、と全額ローンでの購入に踏み切るケースは少なくありません。金融機関の間で住宅ローンの顧客獲得競争がシビアになっていることから、ネット銀行を中心に、「フルローンOK」とするところも増えており、実際にマンション購入者のうち1割程度はフルローンを利用していると調査もあります。

 

それでは、平均的な年収の30歳サラリーマンが、頭金なし・全額ローンで無理なく購入できる物件とは、いったいいくらくらいの物件なのでしょうか。30歳代前半の平均年収538万1,200円に対し、返済負担率20~25%で計算すると、30年間の返済総額は3,228万~4,036万円。ここから利息相当分を引くと、物件価格は上限3,700万円程度ということになりそうです。

 

新築マンションの平均取引価格は東京23区では1億円超、範囲を3大都市圏に広げても、5,000万円を超えていますから、上の価格帯に収めようとすれば選択肢は自ずと中古物件に限られることになるでしょう。仮に全額ローンで、3,700万円の中古マンションを購入した場合、利息総額は285万1,856円、月々の返済額は11万700円で、年収に占める返済負担率を約24.7%に抑えることができました。

 

ただ、中古物件を購入する場合、「想定外のコスト」を想定しておく必要があるかもしれません。

 

代表的なものは、「修繕費用の一括徴収」。マンションは10~15年のスパンで大規模修繕を行うのが一般的になっており、修繕には数千万円の費用がかかることもあります。ほとんどのマンションでは、長期修繕計画に基づいて修繕積立金の額が定められ、住民が毎月これを収めることになっていますが、計画通りに積み立てがなされていなかった場合、管理組合の総会決議を経て数十万~数百万円の修繕費用の一括請求がなされることがあります。

 

中古マンションの購入に際しては、長期修繕計画や、修繕積立金の積み立て状況、これまでの修繕の記録等にしっかりと目を通しておく必要がありそうです。

 

また、当然のことながら中古物件は、築年数を重ねるほど資産価値が下がります。築20年を過ぎると価格の下落スピードが緩やかになるという考え方もありますが、これも上に触れた定期的な修繕がきちんとなされていてこそ。

 

全額ローンの審査をパスできるような物件であれば、よく管理され、高い担保価値を有しているといえそうですが、将来的に売却も視野に入れて中古マンションを購入する場合はとくに、額面価格やローン返済額だけで判断することなく、マンションの管理状態まで把握しておく必要があるでしょう。