していい借金としてはいけない借金の違い
17位は「『金利の高い借金』はしない」です。多くのマネー本がお金の増やし方だけでなく、借金やローンについても触れていました。
※借金……お金を借りること。借りたお金のこと。
※ローン……貸付金。消費財や住宅の購入資金など、個人向けの貸出を「ローン」と呼ぶことが多い。
「借金」というと、一般的にあまりいいイメージはありません。しかし、複数のマネー本は、「していい借金(いい借金)」と「してはいけない借金(悪い借金)」がある、と分けて記しています。
していい借金
・住宅ローン
・不動産投資
してはいけない借金
・銀行系カードローン、消費者金融やリボ払いなど高い金利の借金
・お金を生まない贅沢品(高級車など)
※カードローン……銀行や信販会社、消費者金融が提供する個人向け融資サービス。クレジットカードのキャッシング機能とは別で、現金の借り入れに特化している。
※消費者金融……消費者金融業者。かつては「サラ金」と呼ばれていた。個人への融資がメイン。金利が高め(借入金額に応じて年15~20%)。審査が早い。
「していい借金」として取り上げられていたのは、住宅ローンです。住宅ローンのおもな特徴は、「低金利」でお金を借りられることです。2023年5月現在、0.32%で借りられる金融機関もあります。
この低金利を利用して資産形成をする、というのがマネー本の著者たちの主張です。
「僕の投資法なら20年というスパンで見れば、平均して6%以上の金利が期待できると話したよね。住宅を買える分の現金は投資に回し、住宅購入費はローンを組む。すると住宅ローンと投資分の金利の差額は利益になるんだ! 住宅ローンが仮に1%だとしたら、僕の投資法で考えると差分の5%が投資で得られる利益になる」(厚切りジェイソン『ジェイソン流お金の増やし方』/ぴあ)
また、借金がお金を生んでくれることになるから、不動産投資であれば、借金をしてもいいという意見もありました。
「1億円の不動産物件をローンを組んで買い、家賃収入が月100万円で、返済が毎月50万円だとすれば、細かい計算は別にして、手元に50万円残ることになる。(略)借金をしてでも買うとは、こういうことなのだ」(泉正人『お金の大事な話』/WAVE出版)
どのような借金もしないほうがいい、という反対の声もありました。「借金は、たとえ少ないとしても、金利を払うことに変わりはないから」です。金利を払わずに、その分、運用したほうが得という意見です。
(1)借金は慎重に
「借金をするときはくれぐれも慎重にする」は、マネー本の著者たちの共通の意見です。
「人がおカネを借りる理由はいろいろだけど、借りるより返すほうがだんぜん難しいってことは、覚えておいたほうがいい。借金は慎重に。そうでないと、返すのがだんだん大変になってくるからね」(デヴィッド・ビアンキ『13歳からの金融入門』/日本経済新聞出版)
借金をするときの注意点
・無理のない返済計画を立てる。
・借り過ぎない。
・返済困難になるのを避けるため、住宅ローンは物件価格の最低10~20%の頭金を用意する。
・必ず返す。
・身の丈以上は絶対に借りない。
(2)返済の優先度は金利で決まる
もし、複数の金融機関から借金がある場合は、消費者金融など、金利の高いところから先に返済します。
高い金利のところから返さないと、雪ダルマ式に借金が増えていくことになります。
「消費者ローンの金利は一番高いため、72の法則に従えば、どの借金よりもすぐに2倍に膨れ上がります。危機として取り扱う必要があります。10~20パーセントもの金利のある借金を抱えている間は、投資や貯蓄のことなど考えてはいけません」(クリスティー・シェン、ブライス・リャン『FIRE 最強の早期リタイア術』/ダイヤモンド社)