老後の生活は親子3世代で……そんな姿が当たり前だったのはとうの昔。いま増えているのは「一人暮らしの高齢者」です。誰のことも気兼ねしない、悠々自適な毎日。一方で「住まい」に関して大きな問題を抱えています。みていきましょう。
年金10万円・70代の母「息子さんが保証人でも無理だね」家も借りられず…行き場を失う〈独居老人の悲劇〉 (写真はイメージです/PIXTA)

全国670万人のおひとり様…3人に1人が「賃貸暮らし」

2022年10月1日現在、65歳以上人口は3,624万人で高齢化率は29.0%。65歳以上がいる高齢者世帯は2021年現在、2,580.9万世帯と、全世帯の49.7%とほぼ半数。また65歳以上の一人暮らしは、2020年時点で男性が230.8万人、女性が440.9万人。65歳以上人口に占める割合は男性で15.0%、女性で22.1%でした。

 

2030年には男性が293.5万人、女性が502.4万人で、65歳以上人口に占める割合はそれぞれ18.2%、23.9%に。2040年には男性が355.9万人、女性が540.4万人となり、65歳以上人口に占める割合はそれぞれ20.8%、24.5%。高齢者の4~5人に1人は「おひとり様」という状況になるといわれています。

 

高齢者に住まいについてみていくと、「持ち家」が87.4%(3,167万人)、「賃貸(給与住宅除く)」が10.4%(376万人)。圧倒的に持ち家派が多くなっています。

 

【65歳以上の住居形態】

・持ち家(一戸建て):75.6%

・持ち家(分譲マンション等の集合住宅):11.8%

・賃貸住宅(一戸建て):2.0%

・賃貸住宅(アパート、マンション等の集合住宅):8.4%

・給与住宅(社宅・官公舎など):0.2%

・高齢者向け住宅・施設:1.1%

・その他・不明・無回答:0.9%

 

出所:内閣府『令和5年版高齢社会白書』より

 

「高齢者のおひとり様」に絞ってみていくと、「持ち家」は66.0%、「賃貸」は31.7%。おひとり様の3人に1人は賃貸暮らしで、全国でおよそ200万人強はいると考えらえます。

 

【単身高齢者の住居形態】

持ち家(一戸建て/合住宅):66.0%

賃貸住宅(公営):8.8%

賃貸住宅(都市再生機構・公社):2.6%

賃貸住宅(民営):20.3%

給与住宅:0.3%

間借り:1.5%

その他:0.5%

 

出所:内閣府『令和5年版高齢社会白書』より