介護を必要とする「高齢者」×介護をする「高齢者」…老老介護は増加の一途
内閣府『令和5年版高齢社会白書』によると、介護保険制度における要介護、または要支援の認定を受けた要介護者等は、2020年で668.9万人。10年あまりで178.1万人も増加しました。高齢者人口はさらに増えていきますから、要介護者等はますます増えていくでしょう。
また「65~74歳」で要介護認定を受けた人は、全体の3.0%だったのに対し、「75歳以上」になると23.4%と、4人に1人程度に。後期高齢者である75歳が、介護リスクの高まる境界線といえそうです。
では要介護者等を誰が介護しているのかというのと、「同居人している家族」が54.4%、「別居している家族」が13.6%、「事業者」が12.1。約7割が家族が介護を担当しています。また「同居家族」について詳しくみていくと、「配偶者」と「子」でその8割を占めています。
【介護者の続柄】
◆同居家族:54.4%(363万人)
・配偶者:23.8%(159万人)
・子:20.7%(138万人)
・子の配偶者:7.5%(50万人)
・父母:0.6%(4万人)
・その他の親族(11万人)
◆別居家族:13.6%(90万人)
◆事業者:12.1%(80万人)
出所:内閣府『令和5年版高齢社会白書』より
※(かっこ)内数値は概算要介護者等数
年齢別に介護者をみていくと、60代以上が男女ともに半数近くにもなります。介護者の4分の1が要介護者の配偶者であることから、ある程度高齢者が多いことは推測できます。それにしても60代以上が男女ともに半数にもなるということは、それだけ高齢者が高齢者を介護する、いわゆる「老老介護」が増えているという現状がわかります。
【年齢別にみる介護者】
◆男性
「~30代」2.5%、「40代」6.2%、「50代」18.8%、「60代」28.5%、「70代」21.1%
◆女性
「~30代」0.9%、「40代」5.3%、「50代」20.1%、「60代」31.8%、「70代」29.4%
出所:内閣府『令和5年版高齢社会白書』より