いつまで続くかわからない物価高。生活が困窮する人も増えていますが、その代表が低賃金のケースが多い母子世帯。こうした世帯を支援する制度にはどのようなものがあるのでしょうか? 本記事では、シングルマザーの藤井さん(仮名)の事例とともに、ひとり親世帯が利用できる補助金についてFP事務所MoneySmith代表の吉野裕一氏が解説します。
「養育費はいらない」強気で離婚の手取り月14万円、34歳・2児のシングルマザー。「もう限界」無意識に電車で涙が…いまからできる対処法は【FPの回答】 (※写真はイメージです/PIXTA)

ひとり親が頼れる制度

藤井さんのケースの場合、元夫から養育費を受け取っていれば、贅沢はできないものの心にもゆとりのある生活は送れたのかもしれません。前項の同じ調査では、養育費の受給状況にも調べられています。令和3年の結果では、「養育費を受けたことがない」と回答されたのは、56.9%と約6割の人が養育費を受け取っていない状況となっています。

 

藤井さんはひとり親になったことで、自分の収入と児童手当だけでなんとかできると考えていましたが、実際の生活は厳しいものとなりました。お金に関しては額面だけで判断するのではなく、実質の貨幣価値を考えるべきことが理解できていなかったのです。収入が同じでも物価高などで支出が増えることで、実質の収入も減ってしまうということを考えていなくてはいけません。

 

ではここで、藤井さんのようなひとり親が頼ることができる代表的な補助金をみていきましょう。

 

児童扶養手当

前述の「児童手当」は児童を養育している人に支給されるものですが、「児童扶養手当」は、18歳に達した年度末までの子どものいるひとり親世帯に対して、収入に応じて支給されるものです。ひとり親家庭は、児童手当と児童扶養手当の両方をもらうことが可能です。

 

藤井さんの場合は本制度の全額支給の対象となり、5万3,240円(1人目4万3,070円、2人目1万170円)が支給されます。児童扶養手当を受給するためには、各自治体に申請する必要があり、前項の同調査では、受給していない世帯は55.5%と全体の半数以上となっています。

 

ひとり親家庭住宅手当

自治体によっては名称が違ったり、内容が違ったりすることもありますが、ひとり親世帯に対して、自治体から家賃の補助を受けることができます。

 

ひとり親家族等医療費助成制度

子供だけではなく、親も医療機関の窓口負担が無料になる制度です。

 

そのほか、自治体によってはさまざまなひとり親世帯に対する支援制度があります。東京都では児童扶養手当だけではなく、児童育成手当という制度もあり、所得制限はあるもののひとり親世帯には助かる制度が多くあります。ひとり親になり、養育費を受け取らないという人が半数以上となっていますが、国や自治体の支援制度を活用することで、無理せず子供を育てることができるのかもしれません。

 

ひとりで悩まず、まずは自治体に相談してみることも大切です。

 

 

 

吉野 裕一

FP事務所MoneySmith

代表