日々を楽しみお金も貯める…勝ち組高齢者、現役時代の給与額
生活を楽しみ、そしてちゃんと貯蓄する……そんな余裕のある老後を手に入れるには、現役時代にどれほどの給与をもらい、どれほどの年金をもらっている人たちなのでしょうか。
総務省の調査によると、高齢者夫婦の1ヵ月の生活費は23万円程度。さらに月5万円の貯蓄をするとなると、28万円の手取り収入があればよいと考えられます。それをすべて年金で賄うとすると、額面で33万円、年間400万円弱あればいいということになります。
現役時代、女性の平均給与は男性の75%程度という状況から、単純に年金額も同様の割合で手にしていると仮定します。そうすると男性の年金額は国民年金と合わせて月19万円弱となり、単純計算、現役時代(20~60歳)の平均給与は月57~60万円程度だったと考えられます。会社員のなかでも頂点に達する人たちだけが、老後、したいことをして、お金まで貯めることができる、といえるでしょう。
そんな老後を夢みて「よし自分も頑張ろう!」と奮い立たせ、実現確実という人たちでも、最近は「なぜか生活苦」、さらには「老後破綻」という結末を迎えるケースが増えているといいます。
その理由のひとつが「自立できない子どもの増加」だとか。厚生労働省が2018年に行った『若年者雇用実態調査』によると、親と同居する若年就業者(15~34歳)は、全体の47.6%で半数近くにも及びます。
また同じく厚生労働省『令和4年就業構造基本調査』によると、未婚の非正規社員は全国に634万人。そのうち30代が106万人、40代は89万人います。さらに年収150万円に満たない人たちは、30代で33.8%、40代で32.0%に上ります。
ひとり暮らしをするには経済的に厳しく、結婚適齢期を迎えても実家を離れることができない。そのような人たちは増加傾向にあり、その割合は今後も増えていくといわれています。
本来、子どもが独立することを前提に進めていた、老後を見据えた人生プランですが、「子どもが自立できない」となると狂いが生じます。現役引退前に資産形成を加速させ、十分に蓄えて年金生活を迎える……そんな未来は、あっという間に崩れ去ってしまうのです。
低賃金ながらも子どもは子どもなりに努力し、自身の生活費程度を賄えれば問題ありませんが、さらに「親のスネかじり」が進むとやっかいです。親に寄生し、子ども自身は何不自由のない暮らしをする、親はかわいい子どもを突き放すこともできず消費を続ける、そして気づけば生活苦。そんなとき自身の介護や病気、または突発的な家の修理等、想定してなかった事態に直面すると、あっという間に生活は破綻します。
現役時代、圧倒的な勝ち組とされる人たちでさえ、子どもが足枷となり、まさかまさかの没落……社会問題となっている「パラサイト破産」は、今後ますます増えていくといわれています。
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