昨年以降、大きな流れでは円安傾向が定着してきているなか、いまから始める外貨建てによる資産運用は、どの程度の利益が見込めるのでしょうか。本記事ではニックFP事務所のCFP山田信彦氏が、和田さん(仮名)の事例とともに、中長期的に米ドル建ての資産を一定割合保有することの意義について解説します。
30代主婦、メガバンクで貯金1,000万円を「米ドル建て投資」に…「驚きの10年後」【CFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

円預金1,000万円を米ドル建て社債に変えた場合の「驚きの10年後」

和田さんはご主人とも相談して、保有している約2,000万円の預金のうち、当面使う予定のない半分の1,000万円で、邦銀財閥系メガバンクの残存年数10年弱・利回り5.1%の米ドル建て既発債を、ネット証券の口座で購入することにしました。ちなみに同行が店舗で扱う米ドル建て定期預金は最長でも1年で0.01%、円建て定期預金に至っては預け入れ期間にかかわらず現状0.002%です。為替に動きがないという前提で10年間の差は税引き後で400万円程度になります。

 

「外貨建て資産保有=外貨預金」くらいにしか考えていなかった和田さんにとって、FPから聞いた話はまさに身近な金融リテラシーそのものでした。仮に1,000万円の投資としても、現状の邦銀メガバンク米ドル建て債券の利回りと同じ銀行の定期預金では年率5%程度の差が出てきます。

 

米ドル建て資産を保有する意義

米ドル建て投資で大事なことは日々の為替レート変動に一喜一憂しないことです。

 

1ドル100円を下回るような円高が仮にまた起きても、その程度は「想定内」として動揺せずに本質論として「日本の競争力が世界全体のなかで相対的に低下した状況では、保有金融資産がすべて円建てであることのほうが危険な時代」という認識を持ち、米ドル建て保有資産割合を管理していくことです。

 

来年からは1,800万円の生涯非課税枠となる新NISA制度がスタートします。一度に多額の円を米ドル建て資産化することに不安であれば、この制度を使い米ドル建て資産に長期積立分散投資をしていくという方法も考えられます。

 

また意外に聞こえるかも知れませんが、実はFXアカウントの利用も為替両替コストが安く、金利に相当するスワップポイントも付きますので、低レバレッジで長期保有する強い意志があれば米ドル資産保有先のひとつの選択肢になり得ます。

 

 

山田 信彦

ニックFP事務所

代表