日本では、長い間、会社員の給料がなかなか上がらない状態が続いています。そんななかでもし、収入を大幅に増やしたいのであれば、「独立」も選択肢になります。では、何から始めればよいでしょうか。FPの横山光昭氏による著書『知識ゼロですが、無理なく増えるお金ルーティン教えてください。』(インプレス)から、一部抜粋して紹介します。
「独立起業」で収入の大幅アップを目指すには?スキルアップにつながる「資格」の選び方と、資格取得をサポートする「給付金制度」【FPが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

資格を取得してスキルアップを目指す

収入を上げる方法はさまざまですが、基本的には働くうえでの強みとなるスキルの習得・研さんが重要に。その一手段である資格取得について解説していきましょう。

 

先生:本業に打ち込むにせよ、副業や転職・独立を検討するにせよ、収入を増やしたいのなら、仕事に役立つ専門的なスキル・知識の習得が非常に大事だ。

 

生徒:スキルといっても、いったい何を学べばいいか悩みます。

 

先生:まずは「どんな仕事に就きたいか?」をベースに考えよう。

 

たとえば、今の職場でマネジメント業務に携わりたいのなら、会社の経営状態を把握しておくための財務・会計知識が求められるかもしれない。比較的収入の高い外資系企業に転職したいなら、相応の語学力が必要な場合も。

 

こうしたスキルの習得にあたって視野に入れておきたいのが、関連する資格の取得さ。

 

生徒:語学ならTOEICという資格を聞いたことがあります。

 

先生:民間団体が認定する、いわゆる「民間資格」だね。とくにTOEICは世界的な権威を持ち、一定以上のスコアを人材の募集要件としている会社もあるほどなんだ。一方で、法にもとづき国や、国から委託を受けた団体が管轄する「国家資格」もある。

 

生徒:国が認めるということは、評価してくれる会社も多そう。

 

先生:そのとおり。さらに国家資格には、保有者じゃないと従事できない業務を有する資格もあるなど、実用性が比較的高いのも特徴といえる。

 

◆従事する仕事に関連した資格を取ろう

資格は特定のスキル・知識の証明となり、昇進や転職、独立後の顧客獲得で有利に働く場合があります。さらに国家資格の場合、独占して行える業務があるものも([図表3]参照)。

 

たとえば「社会保険労務士」は、労働保険に関する書類の作成・提出代行などを唯一認められています。

 

[図表3]働きながらでも取得可能な資格の例