「先取り貯蓄」が最初にして最大のカギ
最も簡単で効果的な貯蓄の方法は、あらかじめ貯金額を確保しておく「先取り貯蓄」です。
先生:「必要」で買ったものか、「欲しい」という衝動で買ったものか意識できるようになると、自然と出費が抑えられるんだ。家計を黒字化できたら、次は貯蓄を習慣化していこう。
生徒:それが難しいんですよね……。貯蓄に回せるお金が残らなくて。
先生:あまったお金で貯蓄しようとすると、なかなか貯まりにくいんだ。無理なく貯めるには、給与が入ったと同時に一定額の貯蓄を確保しておく「先取り貯蓄」が鉄則だよ。
生徒:封筒や貯金箱に分けておけばいいのでしょうか。
先生:それも1つの方法だけど、手間がかかるし、手元に残っていると使ってしまう可能性もあるから要注意。先取り貯蓄の方法としては、別の口座に自動でお金を移しておける「自動積立定期預金」の活用がおすすめ。
勤務先によっては、企業が給与から貯蓄分を天引きしてくれる場合もあるよ。いずれにしても、習慣的に貯蓄ができるようシステム化できると、お金が貯まりやすくなるよ。
生徒:毎月の貯蓄額が一定だと、今後貯まっていく金額の計算も簡単になりますね!
「積立」とは……一定期間ごとの決まった日に、一定額を用意して貯めていく資産運用方法のこと。少額ずつコツコツと資産を築いていくのに向いている。期間と金額が一定であるため、将来設計がしやすい点もメリット。
◆やること1|給与からお金を使う“前”に分ける
あまったお金で貯蓄しようとすると、毎月の貯蓄額にバラつきが出てしまい、資金計画も立てづらくなります。先に貯蓄額を確保する仕組みを作っておけば、自然とお金が貯まります([図表1][図表2]参照)。
◆やること2|先取り貯蓄の方法を選ぼう
先取り貯蓄の方法はいろいろありますが、ここでは3つ紹介します([図表3]参照)。
【自動積立定期預金】別の口座に移しておける
通常の預金口座から、自動的・定期的に積み立てられる定期預金口座です。賞与が支払われる月に積立金額を増やせる場合もあります。
【財形貯蓄】企業が給与から天引き
国と起業が連携し、従業員の資産形成をあと押しする仕組みです。住宅購入や老後生活費など、目的に応じた制度もあります。
【袋分け】封筒や貯金箱で管理
手元にお金を残しておく方法です。目に見える安心感はありますが、作業の手間や、預貯金のように利子がつかない点には要注意です。
「財形貯蓄」とは……使途が自由な「一般財形」と、住宅の取得・増改築を目的とした「住宅財形」、60歳以降に受け取れる「年金財形」の3種類がある。再就職先に制度が導入されていない場合は解約となるので注意。