利息の「再投資」によって生まれる利益の「差」
たとえば、毎月分配型の商品を200万円で購入したとしましょう。
「配当金が毎月平均1万円もらえます」と説明を聞きました。ものすごくいいですよね。預金で預けておいても1年で数百円にしかならないのに、投資信託に預けるだけでこんなに配当金がもらえるんだ、とすぐに飛びついてしまいそうです。
しかし、毎月分配型の投資信託の場合は、いつまでたっても元手は200万円のままです。増えていくはずがありません。投資信託が怖いのは、200万円で購入した商品が、数年後手放す時に200万円で売ることができないことがある。ということなのです。
たとえば、200万円で購入した商品が10年後に40%ダウンの120万円でしか売れなかったとしましょう。
これは痛手です。でも10年間、分配金を毎月平均1万円もらっているので、120万円は利益を生み出してくれていました。ですから、差し引き40万円は得をした計算になります。
しかし、これを毎月の分配金をさらに再投資して、投資信託にあてていたとしましょう。
そうすると、10年後の元手は358万1,695円。これが40%ダウンで売れた場合、売却額は250万7,186円。50万7,186円得をした計算になるのです。
つまり、何も考えずに分配金をもらっていた場合と、それをせっせと再投資していた場合では、10万円以上の差が生まれるのです([図表2]参照)。
再投資とは、もちろん複利での運用を意味します。これほどに複利というもののパワーは凄まじいのです。このパワーを利用しないというのは、運用ではありえません。
こんな簡単な理屈にもかかわらず、販売されている投資信託商品の多くは分配型です。
きっと金融機関が販売しやすいからなのでしょうが、直感で分かりやすいものに飛びつくのではなく、運用の基本を勉強して商品を選ぶべきなのです。
岡崎 充輝
株式会社ヘルプライフオカヤ
代表取締役