「200万円投資したら、配当金が毎月平均1万円もらえます」…などの「分配型」の投資商品に飛びつくと損するワケ【FPが解説】

「200万円投資したら、配当金が毎月平均1万円もらえます」…などの「分配型」の投資商品に飛びつくと損するワケ【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「老後のお金の問題が不安で、資産運用して増やすことに興味があるが、どうすればいいのかわからない……」そう思っている人も多いのではないでしょうか。本記事では、ファイナンシャルプランナー岡崎充輝氏の著書『図解 50歳からでも間に合う かんたん資産運用術』(彩図社)より、今ある資産を減らさず着実に増やすため知っておきたいノウハウについて一部抜粋してご紹介します。

資産運用とは「複利」を活用すること

「そもそも資産運用とは何か?」「なぜ資産運用でお金が増えるのか?」というところから復習していくことにしましょう。

 

その基本として、まず「複利の効果」ということを知っておかないと始まりません。

 

「数学の歴史上、最大の発見は何か。それは複利だ」

――アルベルト・アインシュタイン

 

複利のパワーは、資産運用の基本中の基本です。この効果を味方にすることのない運用はありえません。

 

複利の反対の用語に「単利」という言葉があります。

 

運用商品の広告に「平均利回り○%」なんて言葉を見かけるとしましょう。そのときに皆さんが頭の中で計算する金利はほとんど「単利」です。

 

たとえば、100万円を毎年5%で7年間運用したとします。

 

こう聞くと、頭の中で「1年間の利息は5万円だな」という計算はすぐにできると思います。

 

しかし「そうすれば、7年間で35万円の利息!」と計算してしまうと間違いです。この計算方法は単利の計算方法であって、複利の計算方法ではありません。

 

それでは複利の計算ではどうなるのでしょうか?

 

1年目は「単利」でも「複利」でも結果は変わりません。100万円に5%の利息がつくだけですから、100万円が105万円になります。

 

しかし2年目から結果が変わります。「複利」の方は、105万円に5%の金利で計算することになるからです。そうすれば、110万2,500円。たった2,500円ですが、単利よりも利息が増えます。

 

これが7年経つと、5万7,100円も複利の方が多くなります。15年後には107万8,928円の利息になりますから、単利の場合とは30万円以上の開きが出ます([図表1]参照)。

 

『図解 50歳からでも間に合うかんたん資産運用術』(岡崎充輝 著)P43より
[図表1]100万円を年利5%で運用した場合 岡崎充輝『図解 50歳からでも間に合うかんたん資産運用術』(彩図社)P43より

 

つまり、「100万円預けて毎年5万円受け取った利息を引き出して使ってしまった」場合は、効果として「単利」と変わりません。せっかくの「複利」の効果がまったく利用できないことになります。

 

しかし、金融機関でよく販売されている商品には「分配型」というものがあります。毎月配当や隔月配当など、運用成績に応じて配当金を支払うタイプです。

 

これだけ聞くと、「何がダメなの?」と思う方がいるかもしれません。

 

しかし、これは利息にあたる「運用利回り」を分配する、つまり「利息は投資に回さず、分配します」という商品だということになります。

次ページ利息の「再投資」によって生まれる利益の「差」

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