人生100年時代、定年後も資産を増やしていくことが求められています。効率よく資産運用できる方法の一つが、毎月一定額ずつ「つみたて投資」をすることです。国も、税制優遇の制度である「NISA」によってそれを後押ししています。問題は、投資対象となる「投資信託」の選び方です。ファイナンシャルプランナーの横山光昭氏が著書『定年後でも間に合うつみたて投資』(角川新書)より、自身の例も挙げながら解説します。

つみたて投資のベストな買い方を考える

つみたて投資を始めるに当たり、まずは投資対象となる「投資信託」の買い方の方針を考えてみましょう。「アセットアロケーション」とも言い、資産配分を考えることを指します。資産は一本にまとめて運用するのではなく、分散投資するというのがリスクを減らす一番基本的な考え方となります。

 

つみたて投資の対象としておすすめなのは、特定の株価指数と連動するように作られた投資信託「インデックスファンド」です。

 

インデックスファンドは、商品そのものが多くの株式に分散投資しているため、自分で資産配分を考える前からすでに分散されているということになります。そして、つみたて投資で購入できるインデックスファンドにはいろいろなタイプがあるため、ここからさらに配分を考えていきます。

インデックスファンドの「5つのタイプ」

インデックスファンドのうち株式のみを対象とするファンドで、「つみたてNISA」で投資できるものには、大まかに以下の5つのタイプがあります([図表1]参照)。

 

[図表1]つみたてNISAで買える主な商品タイプ(2019年2月末時点)

 

【全世界型】

世界47カ国の株式の値動きを示す指数に連動。米国、欧州、日本などの先進国株式に加え、中国やインドなどの新興国株式を含む。1本のファンドで世界に分散投資をしたのと同様の効果が得られる。「日本を含む」オール・カントリーのタイプと「日本を除く」タイプとがある。主な指数としては、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCIAGWI)」や「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」など。

 

【米国型】

米国株式市場に上場する株式。主な指数としては、米国株式市場の大企業約500社を対象とした「S&P500」や、米国株式市場の大型株から小型株までの約4,000社を網羅した「CRSPUSトータル・マーケット・インデックス」など。米国株のみに対する投資となるので先進国よりリスクが高い。

 

【先進国型】

日本を除く、米国、英国、フランス、カナダ、ドイツなどの先進国22カ国に上場する大・中型株のうち、約1,300銘柄が構成対象。米国の比重が6〜7割と高い。主な指数に、「MSCIコクサイ・インデックス」がある。

 

【新興国型】

今後、高い経済成長が期待されるアジア、中東、アフリカ、南北アメリカ、欧州などの新興国24カ国の大・中型株約1,100銘柄が構成対象。今後成長するであろう国の企業の集まりなので、値動きが激しくリスクが大きい。主な指数に、「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」がある。

 

【国内型】

東証プライムに上場する国内株式。主な指数に、市場を代表する225銘柄を対象とした日経平均株価(日経225)や全上場銘柄を扱うTOPIX(東証株価指数)がある。生産年齢人口の減少などを考えると、株価の大幅な上昇は期待しにくい。

 

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定年後でも間に合うつみたて投資

定年後でも間に合うつみたて投資

横山 光昭

KADOKAWA

つみたて投資を始めて人生100年時代を軽やかに生き抜こう 「老後資金2000万円不足問題」が叫ばれて久しい。 人生100年時代と言われる昨今では、定年を迎えた人も資産寿命を延ばすための方策を立てる必要がある。 余裕資金…

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